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更新日:2023年4月13日
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目次
─ 採択されてから、交付決定まではスムーズに進みましたか。
そこも苦労しました。私は過去に持続化補助金を活用したことがあり、そのときは採択から交付決定まではそれほど時間がかからなかったのですが、事業再構築補助金は、採択後の交付申請にあたって、さらに見積りを取るものがあったり、新たに作成する書類などがあったりして、その対応に3カ月くらいかかりました。
採択通知は5月くらいにいただきましたが、交付決定となったのは9月末でした。
─ 交付決定まで時間がかかったことで、事業を進める上での影響はありましたか。
事前着手申請※を提出していたので、事業自体は進めることができ、それはとても助かっていたのですが、交付決定まで時間がかかったことは、結局、実績報告書の提出の遅れにもつながってしまいました。
感染症の影響による半導体不足の問題もあって、電子サックスの中には、発注してから納品まで1年くらいかかってしまったものもありました。当初は、昨年の9月から事業をスタートする想定でしたが、全ての機材が揃って本格的に実施できるようになったのは、今年の5月からです。
※事前着手申請:補助事業の開始は交付決定後に行うことが原則ですが、事業再構築補助金においては、事前着手申請を行い事務局の承認を得ることで、交付決定前に購入した経費も補助対象とすることができる「事前着手申請制度」が設けられています。
─ 補助金の使い方について教えてください。
電子サックスは、演奏の仕方だけでなく、音の出し方も製品によって異なります。レッスンを受ける方が実際に使用する電子サックスがなければ教えられないので、まずは一般的に流通しているモデルを揃える必要がありました。
安いものだと5、6万円くらいですが、モデルによって値段が全然違うので、3種類のモデルの購入費の合計が40万円くらいでした。
また、レッスンに必要な音響機材などで50万円くらいかかりました。基本的に、電子サックスだけでは実際の演奏に使えるような音は鳴りません。電子サックスからスピーカーやオーディオインターフェースにつなぐ必要があり、また、音色を変えられるエフェクターなどもいろいろあるので、そのような音響機材の選び方や接続方法、使い方などの知識も必要でした。
そのほか、オンラインレッスンを行う上で必要なウェブサイト制作に約30万円、広告宣伝費として約40万円で、事業費全体で約160万円となりました。
─ 補助事業費全体に占めるウェブサイトの制作費の割合が少ないように感じました。
最近のホームページは、専門知識がなくても自分で簡単につくれるものが多くなっています。
私自身は、プログラミングにそれほど強いわけではありませんが、ある程度のものは、自分で対応できる部分もあります。そこは、電気工学科で学んだ経験が多少活かせているかもしれません。
もちろん自分だけで全てはできないので、ある程度までの形を作って、今お願いしている制作会社さんにブラッシュアップしてもらうというようなやり方で、なるべく経費を削減するように工夫しています。
─ 広告費はどのようなもので使われたのでしょうか。
Web記事が帯同したフリーペーパーを活用しました。
今回の事業で私がターゲットとしたいと考えているのは、東京や大阪などの大都市圏というよりは、地方都市在住の方です。
提供するサービスがオンラインレッスンだからだと思いますが、これまでの申込は100%オンラインからの流入になっており、実際に静岡県在住の方や、遠いところだと、和歌山県の方も参加いただいています。
近隣で電子サックスのレッスンを受けられない方が、インターネットで検索して気軽に受講しようと思っていただけるよう、1回のグループレッスンが2,000円から受けられる料金設定にしています。
─ 場所を選ばないだけでなく、費用負担の面からも気軽に受講できることもオンラインレッスンのメリットですね。
そうなんです。これまでの対面レッスンは、50分間で6,000円でしたが、オンラインレッスンはその3分の1の価格としました。その分、レッスン時間を40分間としています。従来のマンツーマン50分間のレッスンだと、敷居が高く感じる方がいるようなので、短時間で気軽に受けられるようにしました。
オンラインのグループレッスンでは、参加人数が多くても、受講者側の映像や音声をオフにして、他の参加者のことを気にせず、実質的にはマンツーマンでレッスンを受けることができますし、こちらとしても、1回あたりのレッスン料金を低く設定できます。
今のところ、グループレッスンは1回あたり3人くらいの参加者での開催ですが、今後は、使用するオンラインシステムの容量次第で、1回のレッスンでの同時受講が数百人まで可能になります。そうなると、オンラインレッスンのメリットはより大きくなりますね。
─ オンラインレッスンを始めてみて、対面レッスンとの割合は、今後どのように考えられていますか。
現時点では、対面とオンラインレッスンの割合は8時02分で、対面レッスンがメインです。
土日は朝から晩まで対面レッスンの予約をいただいていますが、レッスン場所がここ八木山のオフィスで、必ずしも利便性が良いわけではありません。将来的に対面レッスンで対応できるキャパシティーが限られてくることを考えると、今後はよりオンラインレッスンの比重を高めていこうと考えています。
補助金申請の際に、オンラインレッスンでの売上が3年後に10%以上となる目標を掲げており、まずはそこを目指していきます。
─ これから事業再構築補助金の活用を考えている方にアドバイスいただけますか。
私自身が補助金活用に慣れていないのもありますが、補助金受給の手続きは、しっかり確認することが重要です。
実際に、私も今回の事業で必要な機材を購入した際に、クレジットカード決済としていたために、対象外経費となってしまったことがありました。採択された後も募集要領などの書類をしっかり確認することが大事です。
もちろん、この補助金のおかげで、新たな取り組みに一歩踏み出すことができて、とても感謝しています。自己資本だけでは実現できないこともありますから。
皆さんも、こうした補助金があるチャンスを活用して、新しい取り組みにチャレンジされてみてはいかがでしょうか。
─ ありがとうございます。今後のますますのご活躍を祈念しております。
取材日:令和4年6月27日
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