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更新日:2024年2月1日
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12月1日(金曜)は、太白区秋保総合支所 分庁舎にて、食を通じた健康づくりのボランティア団体であり、長年地域で活動を続けている「仙台市秋保食生活改善推進員会」の皆様と懇談しました。
懇談前には、会の皆様が行っている家庭で調理したお味噌汁の塩分濃度の測定と適塩のお味噌汁の調理・試食を通して減塩に取り組む活動に参加させていただきました。
味噌汁の塩分濃度測定会に参加しました(写真)
仙台市秋保食生活改善推進員会は、社会的に栄養や健康が意識されるようになる中で、この分野に関心を持つ秋保地区の主婦を中心に昭和53年9月に発足しました。「私たちの健康は私たちの手で」を基本目標に掲げ、自主的に栄養の知識等を学びながら、日常の食生活を改善して心身ともに健康な家庭や地域づくりに取り組むボランティア団体として、11名の会員が活動しています。
会長 伊藤 すみ子(いとう・すみこ) 氏
副会長 柴田 典子 (しばた・のりこ) 氏
会計 伊藤 いつ子(いとう・いつこ) 氏
書記 菅原 三和子(すがわら・みわこ)氏
幹事 齋藤 節子 (さいとう・せつこ)氏
前会長 相澤 かず子(あいざわ・かずこ)氏
記念撮影(懇談者6名と) 記念撮影(会員の皆さんと一緒に)
市長
長年にわたって、秋保食生活改善推進員として秋保の方々の食を通じた健康づくりを推進していただいていることに、心から敬意を表し感謝申し上げます。
さきほど、日頃の活動の様子を拝見させていただきまして、改めて皆さんの活動が地域の方々の健康を支えていること、とてもありがたいことだと感じました。限られた時間ですけれども、皆さんの活動内容や、活動への思いなどをお聞かせいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
始めに、秋保食生活改善推進員の活動がどのようなものかお聞かせいただけますでしょうか。
相澤さん
秋保食生活改善推進員会は、昭和53年に旧秋保町からの要請を受けて15名で発足しました。「私たちの健康は私たちの手で」をスローガンとして、食や栄養について学びながら、家族や地域の皆さんの健康づくりに取り組んでいます。発足当時は、夏の食事に緑黄色野菜を取り入れる活動のほか、ツルムラサキやモロヘイヤの栽培と普及に取り組み、昭和58年には、秋保の行事食を調べて普及しようということで行事食の冊子を作り、大変好評をいただきました。現在は、減塩を促す啓発活動として、それぞれの地区に出向いて味噌汁の塩分濃度の測定会を開催するなど、薄味に慣れていただくための試食会や料理教室などを行っており、参加者から大変喜んでいただいています。
また、毎月19日の「食育の日」には、のぼりを掲げて家族全員で食事をしようと啓発活動に取り組んでいます。
市長
ありがとうございます。長年にわたって、様々な活動をされてこられたことがよく分かりました。このように長い間、活動を続けてこられた秘訣などがありましたら教えてください。
伊藤(すみ子)さん
新型コロナウイルス感染症の影響で活動があまりできない時期もありましたが、ようやく落ち着いてきて、また会員の皆さんと調理実習などの活動ができるようになりました。長く続けていく秘訣は、会員の皆さんと楽しく活動ができるからだと思います。
相澤さん(写真) 伊藤(すみ子)さん(写真)
相澤さん
秋保の方々が私たちの活動を知り、理解してくれるのをうれしく思ったことや、会員や行政の方が一生懸命に関わってくださるので活動を続けてくることができました。
市長
ご自身の勉強になったということだけでなく、会員の皆さんと和気あいあいと楽しく活動をされているからこそ、活動を続けることができたのですね。
伊藤(いつ子)さん
私もそう思っています。食育カレンダーに掲載されている食事を作ったりして、仲間と一緒に活動を楽しんでいます。
市長
斎藤さんはいつ頃、会に入られたのですか。
齋藤さん
5年くらい前に先輩たちに誘われて入りました。私も料理を作ったり、会員の皆さんと楽しく過ごしています。また、カルシウムのことや食品表示の見方の勉強会があって、家庭の中でも役に立つので良かったです。
市長
菅原さんは、どういうきっかけでいつ頃、会に入られたのですか。
菅原さん
私は齋藤さんに誘われて会に入りました。体に良いことをいっぱい教えてもらえますし、教えていただいた料理を家庭でも作ったりしていて、勉強したことが役に立っています。
柴田さん
私は会に入って10年くらいになります。活動に参加するまでは、いろいろな地区の方と接する機会がなかったのですが、今では活動を通じて多くの地区の方と交流することができるようになりました。秋保の中でも地区によって食生活が違うこともあり、勉強になることがたくさんあります。
市長
活動や交流の中で学ばれたことを、ご自分のご家庭や地域の方々にも発信されているのですね。
伊藤(すみ子)さん
私たちの活動を知らない地域の方が多いので、地区の集まりの際に伺って味噌汁の塩分濃度測定会を行っています。昨年度は2つの地区の集まりに伺って行いました。その時にお試しで一度見学に来てみませんかとお誘いしたところ、新たに2名の方に会員になっていただきました。私たちの活動を見学できることを皆さんに知っていただけたらいいなと思っています。
市長
食生活改善推進員の皆さんには、食を通してご家庭や地域の健康増進に取り組みたいというお気持ちがあって、そのような活動の機会にお試しで参加してもらう場を作りながら仲間を増やして活動を続けてこられたのですね。
皆さんの活動は、ボランティア活動として取り組んでいただいているとのことですが、どのような思いをもって活動されているのでしょうか。今後、もっとこんな事をしてみたい、あんな事もしてみたいなど思っていることがあれば教えてください。
伊藤(いつ子)さん
地域のイベントや地区のサロン会など、人が集まる機会に何か試食してもらうことなどで、私たちの活動を広く知っていただき、活動に参加する仲間が増えればいいなと思っています。
市長
サロン会は、秋保のいろいろな地区で行われているのですか。
伊藤(いつ子)さん
私が住んでいる地区では年3回行っていて、結構な人数が集まっています。
伊藤(いつ子)さん(写真)
市長
そのように人が集まっている場所で、皆さんが食生活や健康に関するご提案をされて、活動を知ってもらうことは、地域の方々の健康増進だけでなく、一緒に活動する仲間を増やすことに繋がりますね。
相澤さん
会の設立当時は、「薄味に慣れてください。住民健診の時には血圧で引っかからないようにね」と、地域の方々に声をかける活動を行いました。最初は薄味に慣れなくてなかなか受け入れていただけない状況でしたが、今では薄味が地域の中に浸透している様子が感じられることから、長年にわたる活動が実って良かったと思っています。
市長
地域が活発になるには、女性たちのネットワークも大切なのかと思います。女性たちがこうやって元気に集いながら楽しく学び、活動を続けていることが、秋保の方々の健康を維持することに繋がっているものと思います。皆さんの活動には、本当に頭が下がる思いで聞かせていただきました。
「健診の時には血圧で引っかからないようにね」と声をかけられたことで、気をつけようという気持ちを持たれた方も随分といらっしゃるのではないですか。
相澤さん
自分が病気になって初めて塩分の取り過ぎに気づく方もいるので、病院で言われる前に、声かけによって気づいてもらえたことは良かったと思っています。
市長
塩分を取り過ぎないようにする工夫というのは何かありますでしょうか。また、そういうアイディアを地域の皆さんに伝える活動なども行っているのでしょうか。
柴田さん
レモンや生姜を使うことで塩分を取り過ぎないようにすることができることを、会の活動で学びました。地域の皆さんにもぜひ私たちの活動に参加していただき、いろいろな知識を学んでいただきたいと思っています。孫の世話で活動に参加できないという方もいらっしゃるので、孫を預けることができる場所があればいいなとも思います。
柴田さん
話は変わりますが、農協の方に小中学校の給食には環境保全米を使うことになっていることを教えていただきました。秋保でも環境保全米を作っているのですが、雑草に負けてしまい収穫量が減ってしまうので、私たちも苦労しながら作っています。リタイヤしてしまう農家も多いと聞きますので、そういうことも食に関する活動として多くの方にご理解をいただきたいと思っています。
柴田さん(写真)
市長
いろいろご苦労されながら、環境保全米を作っていただいてありがとうございます。市としても宣伝していきたいと思います。
柴田さん
食生活改善推進員の活動や環境保全米の栽培も含めて、私たちはすごく大切なことをしているのだと改めて思いました。
菅原さん
私はそれまでは活動に参加する余裕はないと思っていたのですが、5年くらい前に近所の会員の方に誘われて地域のサロン会に行った際に、試食させていただいたことをきっかけに活動に参加しました。コレステロールや塩分など、食生活に関する勉強をさせていただいています。私も年を取って体が動かなくなってきましたが、望ましい食生活には農薬を減らすとか、朝に収穫した食材をすぐに食べるとか、そういうことを続けることが大切かと思っています。
市長
学校給食に環境保全米を使っているのもそうですし、地場で採れたものを子供たちに食べていただくことなど、食育の大切さを感じるお話を伺うことができました。国の食育推進に関する計画でも、食育を推進していくためには、食生活改善推進員の皆さんのようなボランティアが果たす役割が重要であることが示されているところです。今日お集まりの皆さんの活動が、大きな意味を持ってその役割を果たしているのだと実感しています。
最後に、食生活改善推進員の皆さんは、これから秋保地区の皆さんにどのようになっていただきたいか、または、この活動をどのように発展させていきたいと考えていらっしゃるか伺いたいと思います。
伊藤(すみ子)さん
やはり、私たちの活動を多くの方に見ていただけるように工夫しなければならないと思っています。地区での集まりの際に声をかけるなど関心を持っていただき、活動を広げていくことが大事だと思います。
また、食生活改善推進員会は、秋保のほかに宮城地区と泉地区にも会があるので、各地区との交流も継続していきたいと思っています。
伊藤(いつ子)さん
会員の構成が同じ地区に固まっているので、できれば多くの町内会から参加していただき、学んだことをその町内会の中で周知していただけたらいいなと思います。活動で学ぶことは本当に役に立つので、多くの方に参加いただきたいと思います。
齋藤さん
私も活動への参加のお誘いをするのですが、なかなか加入してくれる方はいません。でも、この会に入って、家庭にばかりいるのではなく、外に出て活動をしたり、いろいろな方と交流する楽しさを実感しましたので、そういうことを経験できる場であることを多くの方に伝えていきたいと思います。
齋藤さん(写真)
市長
自分自身の活動を広げるきっかけとなったのですね。こうして活動を続けていらっしゃることは素晴らしいことだと思います。
相澤さん
私は、これまでに地域の方々が試食会などの私たちの活動に参加するために集まってくれている様子を見てきたので、私たちの活動は人を集めることができる活動だと自信を持って活動してきました。でも、最近は若い方が参加してくれないことが残念に感じています。そのことをどうにかしたいと思っています。
柴田さん
活動に行くのが面倒だなと思うときもありますが、活動に参加してみると学べることがたくさんあるし、みんなで和気あいあいとお話すると楽しいので、そういう活動であることをみんなに知ってもらいたいと思います。
菅原さん
私は車も運転しないし家に居るばかりでしたが、食生活改善推進員の活動は回数的にも私にはちょうど良かったので、家族のためにも私自身のためにもという気持ちで活動に参加してきました。活動に参加してみると、いろいろなことが学ぶことができて、次第に学んだことを伝えられたらいいなと思うようになりました。
秋保ではどこの家庭でも家庭で食べる野菜を作っていますし、学んだことを役立てられる機会は多いと思います。そういうことを地域の方々に伝えていけたらいいなと思っています。
菅原さん(写真)
市長
今日はたくさんの貴重なお話をお伺いし、皆さんの活動に対する思いや、生き生きと活動されている様子を感じることができました。
皆さんが元気で明るく活動していらっしゃるのは、まさに皆さんの取り組みが地域の中で生きているからだと思いますし、きっとこれから加入される方も、同じように感じながら活動していただけるものと期待しています。
暮らしの中の環境は年々移り変わっていきますが、こうして食生活を通して健康のことを考えながらいろいろな活動をなさっているというのは、地域にとってとても大切なことだと思います。これからもぜひ仲間を増やしていただき、活動を続けていただきたいと思います。本当にすばらしい活動をなさっている皆さんに改めて心から敬意を表し、感謝を申し上げます。
本日はありがとうございました。一層のご活躍をお祈りしています。
懇談の様子(写真) 味噌汁を試飲させていただきました(写真)
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