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更新日:2025年1月31日
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令和7年1月11日(土曜日)から17日(金曜日)までの日程で、髙橋副市長をはじめとする本市訪問団が、フィンランド共和国オウル市およびフランス共和国サクレー地区等を訪問しました。
ICT分野の先進都市であるオウル市とは、平成17年度に「産業振興に関する共同インキュベーション協定」(仙台-オウル協定)を締結し、これまでITやスタートアップ等の分野において交流を深めてきました。このたび、本協定の更新等のため、オウル市を訪問しました。協定内容の見直しを図り、これまでの個別の産業分野における連携の次のステップとして、両市の産業クラスター及びエコシステム間の連携に軸を移し、ITやスタートアップ等の分野に加え、ライフサイエンス分野や脱炭素分野における相互協力など、新たな枠組みでの連携を開始します。
また、訪問団の一部は、放射光施設ナノテラスの稼働を契機としたリサーチコンプレックスの形成に向けた施策検討のため、先進地であるフランス共和国エソンヌ県サクレー地区を視察するとともに、同地区の関係者とリサーチコンプレックス形成に向けた戦略や課題などについて意見交換を行いました。
ビジネスオウル(BusinessOulu)は、オウル地域における産業雇用支援及び経済産業施策を担うオウル市の公益法人です。
オウル市のイノベーション・エコシステムの概要と、ICT、クリーンテック分野、スタートアップ支援の取り組みについて説明を受けるとともに、仙台市のイノベーション施策を紹介し、今後の相互協力に向けた方向性について意見交換を行いました。
本市職員によるイノベーション施策の紹介 集合写真
オウル大学は、1958年に設立されたフィンランドでトップクラスの公立総合大学です。
同大学が強みを持つ無線通信技術や組み込みソフトウェアを始めとする半導体技術等に関する先進的な取り組みについて説明を受けるとともに、仙台市のイノベーション施策を紹介し、今後の相互協力に向けた方向性について意見交換を行いました。
オウル大学長によるプレゼンテーション 集合写真
VTT(フィンランド技術研究センター)オウルに拠点を置く「プリントセント(PrintoCent)」は、最先端のプリンテッドエレクトロニクス技術(印刷技術を使って素材に回路を描く技術)を活用したソリューションや教育プログラムの提供、研究・開発施設の利用促進、関連イベントの開催を行う産業クラスターです。特に、持続可能な素材や製造技術の研究・開発に注力し、国内外の企業や研究機関と共同開発プロジェクトやイノベーション創出を推進しています。また、プリントセント発のスタートアップ企業も数多く誕生しています。
施設の取り組みについて説明を受け、今後の相互協力に向けた方向性について意見交換を行いました。
その後、今回の訪問に合わせて同施設に招待していた現地企業に対して、経済局職員から仙台市で進行しているイノベーションに関するプロジェクトの説明を行いました。説明では、主に放射光施設「ナノテラス」の活用に関する情報提供を行い、参加した現地企業の方は、熱心に耳を傾けていました。説明終了後は、参加者から多くの質問をいただき、活発なディスカッションが行われました。
プリントセント/VTTオウル職員からの説明 本市職員によるプレゼンテーション
オウル大学病院テストラボ(OYS Testlab)は、ヘルスケア・医療関連製品やアイデアの実証実験環境を提供するオウルヘルスラボ(OuluHealth Lab)の1つで、特にオウル大学病院テストラボはオウル大学病院内に設置され、病院環境とユーザーとなる医師や看護師などの医療従事者・専門家によるフィードバックを受けることができる施設で、効率的な製品開発に役立てることができます。
担当者からは、製品を作るメーカーとユーザー間のニーズのギャップを少なくできることや、欧州展開を考えている国内外企業の製品マーケティングの場としての活用が可能であるという説明がありました。
その後、2024年11月に部分開業した新オウル大学病院(スマートホスピタル)A棟とB棟で、業務効率化を目的とした最新の設備や機器を視察しました。また患者や大学病院従業員の心を和ませるアートがあちこちに描かれていました。
オウル大学病院長による施設概要の説明 新オウル大学病院の医師による施設内の説明
オウル市庁舎において、オウル市主催の昼食会が開催され、オウル市及び関係機関、仙台市、東北大学病院の代表者からそれぞれの取り組みの説明を行うとともに、記念品交換を行いました。
オウル市のヤルモ・フッソ議長、そしてアリ・アラトッサヴァ市長からは、本市訪問団への歓迎のお言葉と20年間にわたる両市の交流が今後も実りあるものになるよう取り組む旨のお話がありました。
髙橋副市長からも、両市の交流に対するオウル市及び関係者の皆様への感謝の気持ちをお伝えし、仙台市の取り組みについてのプレゼンテーションを行いました。
記念品交換で、仙台市からオウル市側参加者のみなさまにお渡したバッジは、オウル市側のデザイン関連企業「YO ZEN(ヨーツェン)」による伊達政宗の兜をモチーフにしたデザインを基に、仙台市の伝統工芸「玉虫塗」の技術を持つ「東北工芸製作所」が制作したものです。このコラボバッジは、仙台市・ビジネスオウルの支援のもと、友好関係20周年を記念して作られました。
オウル市及び関係者のみなさまは、髙橋副市長のプレゼンテーションと、記念品についての説明に熱心に耳を傾けていました。
髙橋副市長のプレゼンテーション 髙橋副市長とオウル市議長の記念品交換
署名式参加者全員にお渡した記念品(バッジ)
オウル市庁舎において、オウル市主催昼食会に続き、仙台-オウル協定と、東北大学病院-オウル大学病院MOUの署名式が開催されました。
署名式に先立ち、オウル市、ビジネスオウル、オウル大学病院、オウル市議会、仙台市、東北大学病院の代表者からご挨拶をいただくとともに、日本・フィンランド両大使館と、郡市長からのビデオメッセージを上映しました。
郡市長からのビデオメッセージは、仙台市の観光PR動画で始まり、仙台市が大学との連携によるスタートアップ支援や、リサーチコンプレックス形成に力を入れていることから、両市が連携して取り組める領域が広がってきており、今回の協定更新をきっかけに、ライフサイエンスをはじめ様々な分野で、イノベーションを生み出す取り組みが活発になることへの期待をお伝えしました。
続いて挨拶を行った橋本議長は、フィンランド語で自己紹介を行い、仙台-オウル協定・東北大学病院-オウル大学病院MOUにより、両市と両大学病院が連携することにより、医療技術の進歩と両地域の産業振興への期待をお伝えしました。
従来の協定では、仙台市・オウル市企業の互いの地域への立地促進、仙台市企業のオウル市を通したEUへの海外進出・展開促進、オウル市企業の仙台市を通した東北地方や日本への海外進出・展開促進、国際産学連携の促進等による産業振興を目的としていましたが、新協定では、内容の見直しを図り、以下の3点を柱とした協力体制を築くこととした協定に署名を行いました。
1.イノベーションエコシステム形成の推進、連携
2.デジタル化・ライフサイエンス分野、スタートアップ支援での協力促進
3.行政施策に関する情報共有
ライフサイエンス分野での連携に関連して、東北大学病院とオウル大学病院による基本合意書MOUの2回目の署名式が併せて行われました。
郡市長ビデオメッセージ 協定更新への期待を述べる橋本議長
協定書を披露するオウル市長と髙橋副市長 集合写真
OYSTERインキュベーターは、医療・健康分野に特化した、スタートアップや研究者を対象とした開発支援を行うインキュベーション施設で、オウル大学病院近くにあり、ビジネスオウルが中心となって運営しています。
施設の取り組みについて説明を受け、今後の相互協力に向けた方向性について意見交換を行いました。
OYSTERインキュベーター担当者(ビジネスオウル)による説明
放射光施設ナノテラスの稼働を契機としたリサーチコンプレックス形成に向けた施策検討のため、先進地であるフランス共和国エソンヌ県サクレー地区を視察するとともに、同地区の関係者とリサーチコンプレックス形成に向けた戦略や課題などについて意見交換を行いました。
サクレー地区の経済開発責任者による説明 集合写真
仙台に本社を有する泰光住建株式会社が、フランス等海外で展開する「ARTOLETTA(アートレッタ)」プロジェクトが導入されている施設を視察するとともに、プロジェクトの関係者と市内中小企業の海外市場への進出について意見交換を行いました。
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