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更新日:2023年10月24日
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レジオネラ属菌は、もともと土壌や水環境に広く生息している菌です。
レジオネラ属菌が人工的な水循環設備(循環式浴槽、ジャグジー、加湿器、冷却塔水)中で繁殖しこれらから発生するレジオネラ属菌を含むエアロゾルを吸い込むことなどにより感染します。
ヒトからヒトには感染しません。
免疫機能が低い高齢者、新生児や大酒家、喫煙者、透析患者、糖尿病患者がハイリスクグループと言われています。
突然の発熱、悪寒、筋肉痛で始まり、一過性で治癒するポンティアック熱(潜伏期1~2日)と
全身性倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳嗽、38℃以上の高熱、悪寒、胸痛、呼吸困難となるレジオネラ肺炎(潜伏期2~10日)があります。
レジオネラ肺炎は、臨床症状では一般の肺炎との区別は困難ですが、尿中抗原検査による診断が一般的になってきました。
レジオネラ属菌
0.3〜0.9×2〜5マイクロメートルの細長い菌
これまでに50菌種以上が報告されている
年月 |
発生施設 |
発生状況 |
原因施設(推定含む) |
---|---|---|---|
令和元年7月 | 静岡県内の入浴施設 | 13名発症 | 入浴施設 |
令和3年12月 | 広島県内の入浴施設 | 4名発症 | 入浴施設 |
令和4年3月 | 兵庫県内の入浴施設 | 2名発症、1名死亡 | 入浴施設 |
令和5年7月 | 宮城県内の医療機関 | 8名発症、2名死亡 | 冷却塔 |
殺菌装置のある機器を選定しましょう。取扱説明書に従い、ろ過器の管理を行い、浴槽水も定期的に交換しましょう。気泡発生装置は使わないようにしましょう。
特に超音波式の加湿器では、こまめに水を交換するとともに、容器の清掃を行いましょう。
園芸用の土からの感染事例も報告されています。
粉じんの発生する腐葉土の取り扱い時には、吸い込まないようマスクを着用しましょう。
ろ過器や循環配管に汚れがたまると、レジオネラ属菌が増殖しやすい環境になってしまいます。ろ過器の種類に応じて、定期的に逆洗浄やろ過材の交換を行い、最低でも週1回以上、循環ろ過系統に高濃度の塩素系消毒剤などを循環させてしっかり消毒し、さらに浴槽水を完全に抜き、しっかり洗浄してください。
レジオネラ属菌の増殖防止には、塩素系消毒剤が有効です。浴槽水の遊離残留塩素濃度はこまめに測定し、0.2~1.0mg/Lに保ってください。(0.2~0.4mg/Lが望ましい。)
ジャグジーなどの気泡発生装置は、細かいしぶき(エアロゾル)を発生させるため、レジオネラ属菌が肺に入り込みやすくなってしまいます。装置の中に土ぼこりが入らないよう、空気取入口は外部に設けないようにし、取入口にはフィルターを設置してください。また、連日使用型循環式浴槽では、気泡発生装置の使用は避けてください。
※シャワーでもエアロゾルが発生します。シャワーヘッドを定期的に洗浄、消毒するなどの管理も重要です。
湯水の水質基準(仙台市条例、規則)
項目\湯水の種類 | 浴槽水等 | 原水、原湯、 上がり用水、上がり用湯 |
---|---|---|
色度 | - | 5度以下 |
濁度 | 5度以下 | 2度以下 |
pH値 | - | 5.8~8.6 |
全有機炭素(TOC)の量又は
過マンガン酸カリウム消費量 |
全有機炭素(TOC)の量 8mg/Ⅼ以下 過マンガン酸カリウム消費量 25mg/Ⅼ以下 |
全有機炭素(TOC)の量 3mg/L以下 過マンガン酸カリウム消費量 10mg/Ⅼ以下 |
大腸菌群 | 1個/mⅬ以下 |
- |
大腸菌 | - | 検出されないこと |
レジオネラ属菌 |
検出されないこと (10CFU/100mL未満) |
検出されないこと (10CFU/100mL未満) |
検査回数 | 年1回以上 連日使用型循環浴槽の浴槽水は、年2回以上 塩素系薬剤を使用していない浴槽水は、年4回以上 |
一般に大浴場は、循環型がほとんどです。浴槽の湯をろ過器を通して、きれいにしながら使用しています。レジオネラ属菌が増えないように塩素消毒をしています。定期的にろ過器、配管の消毒、洗浄を行っています。
また、定期的に水質検査を実施して、安全を確認しています。入浴する方は、レジオネラ属菌を浴槽に持ち込まないように、身体を良く洗ってから浴槽に入りましょう。
旅館業及び公衆浴場について、施設の適正な衛生管理のため、本市条例で衛生管理手引書及び点検表の作成を義務付けています。
レジオネラ症は重篤な場合、死に至る感染症です。施設が感染源となった場合は、営業継続が困難になりかねないなど、経営上のリスクとしても重要です。
そこで本市では入浴施設の衛生管理において大変重要なレジオネラ症防止対策に絞って、適切な手引書と点検表を作成できるよう解説した「入浴施設におけるレジオネラ症防止のための衛生管理手引書作成の手引き~レジオネラ症を未然に防止しましょう~」を作成しております(下記のリンク参照)。
入浴施設ごとに、構造設備は様々ですので、手引きを参考に、それぞれの施設にあった衛生管理手引書を作成しましょう。
入浴施設におけるレジオネラ症防止のための衛生管理手引書作成の手引き
冷却塔は、冷房や冷蔵庫に必要な冷水を造るための、屋上などにある機械です。水と空気を接触させて、熱を逃がすため、水滴が大量に発生します。定期的に清掃、水の交換を行い、薬品を添加するなど、レジオネラ属菌の増殖を抑えています。あまり近づかないようにしましょう。
蛇口のお湯の温度を55℃以上に管理し、レジオネラ属菌が増殖しないようにしています。お湯を使うときは、やけどに注意しましょう。
建築物の維持管理については、第4版レジオネラ症防止指針(公益財団法人日本建築衛生管理教育センター発行)等を参考に管理してください。
冷却塔は、冷却水の温度がレジオネラ属菌の増殖に適しているとともに、水と空気を接触させて熱を逃がすため、エアロゾルが飛散しやすく、最も注意が必要です。窓や空気取入口などが近い場合は、設置場所の変更や遮蔽などの対策が必要です。念のため、清掃作業する場合は、マスクをしましょう。
《維持管理の注意点》
加湿装置には、水道水を使いましょう。
空調機に組み込まれた加湿器のドレンパン(排水受け)を定期的に点検・清掃を行いましょう。
湯を循環させる中央式給湯設備においては、貯湯槽内の湯温を60℃以上に、給湯栓末端でも55℃以上に保ちましょう。
定期的に、貯湯槽、配管、シャワーヘッドなどを清掃しましょう。
早期に診断されれば適切な治療が可能です。人から人に感染することはありませんが、複数の患者が発生している可能性があります。同じ施設を利用した方で倦怠感、発熱など心配される症状がある方は、早急に診断を受けてください。
施設側は、原因と考えられる設備の使用を中止し、現状を保持したまま、速やかに所轄の保健福祉センターに連絡してください。原因を究明するため、指示があるまで、特に、消毒などの措置は行わないでください。
市内の主なレジオネラ属菌の水質検査機関は下記のとおりです。また、他にも水質検査機関があります。
お住まいの区の区役所衛生課に直接ご相談ください。(お問い合わせ先は下記のとおり。)
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※お住まいの区の区役所衛生課に直接ご相談ください。
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