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更新日:2026年4月2日
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令和7年度第1回目のふれあいトークは、「特定非営利活動法人エーキューブ」の活動現場を訪問しました。南光台東小学校で開催された、正しい動物との触れ合い方や命の大切さをこどもたちに学んでもらう動物介在教育の様子を見学したあと、メンバーの皆さまと懇談しました。
平成13年度に本市が主催した動物介在活動セミナーの受講生によって、翌年度にボランティアチームとして発足。平成18年に法人格を取得。人と動物の絆を大切にする精神を基に、以下の活動などを行っています。
・小学校や児童館等での動物介在教育(AAE:Animal Assisted Education)
・高齢者施設、障害者施設等を訪問しての動物介在活動(AAA:Animal Assisted Activity)
・災害時のペット同行避難についての啓発活動
懇談に参加された方々
理事長後藤 美佐(ごとう みさ)さん
副理事長 佐々木 ひとみ(ささき ひとみ)さん
理事兼事務局長 千葉 浩二(ちば こうじ)さん
理事 岩井 美和子(いわい みわこ)さん
市長
今日は皆さまの動物介在教育の活動の様子を拝見させていただきました。ありがとうございます。ワンちゃんたちがすばらしく、こどもたちの表情も輝いているなと思いました。まずは自己紹介をお願いできますでしょうか。
後藤さん
理事長をしております後藤と申します。今まで何代も活動犬がいましたが、この犬が今私のパートナーとして、学びながら活動しています。
佐々木さん
副理事長の佐々木ひとみと申します。今は愛犬はおりませんが、良い活動でエーキューブが大好きなので、今も活動しております。
岩井さん
理事の岩井です。私はこの犬で活動犬としては2匹目です。前の犬が亡くなってしまって、すぐこの犬を受け入れて、いま3歳です。お互い勉強しながら活動しています。
千葉さん
私は理事で、会員向けのお知らせや連絡等を行う事務局長も兼ねております。今日ここに連れて来たこの犬のほかに、もう1頭います。エーキューブの活動としてはこの犬が5代目。いろいろ個性がありますが、全部何らかの形でエーキューブの活動に関わっています。
市長
ありがとうございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
後藤さん 佐々木さん
後藤さん
私たちは、動物介在活動を、重度障害者施設で年4回、仙台市教育支援センター児遊の杜でも年5回、長く継続して活動させていただいています。また、今日見ていただいた動物介在教育という活動も、仙台市内の小学校や児童館で教育という形で行っています。その他に防災啓発ですね。私たち犬を飼っている者として、震災のときなどでも、「ペットを飼っているから逃げられない」というようなことがないように、日頃からの準備などの啓発も仙台市動物管理センター(通称:アニパル仙台)と一緒に活動させていただいております。
市長
ありがとうございます。ご高齢の方や障害を持たれた方々が、ワンちゃんやネコちゃんと触れ合って元気を回復していく、そういった様子は以前拝見したことはありましたが、今日のAAEという活動は初めて拝見いたしました。こどもたちが動物と触れ合うその基礎的なところを、小さいうちから知ってもらおうという取り組みなんですね。
佐々木さん
人が生まれて成長していくなかで、特に脳の発達は体や免疫の成長より早く、10歳くらいまでにハードウェアが完成すると言われています。それまでにいろいろなことを体験して、人として大事なことを育んでもらいたい。一番の目的は、やさしい、そして思いやりのある心を育てて欲しいということで活動しております。犬はこどもたちの優しさを引き出す名手と言われています。どんなにお友達にちょっと強く当たっているようなお子さんでも、犬を間にすると本来持っている奥底の優しさがスッと出てきて犬に優しくし、そしてお友達にも優しく接することに繋がっていく。そういうことを引き出すお手伝いしたいと思って活動しています。数えてみましたら、去年までの22年間の活動で163回、AAEを実施しておりました。
市長
動物を通して、お子さんたちのやさしい心や思いやりの心がさらに育まれることに繋がっていくのですね。
ワンちゃんたちも、みんな犬種も違えば性格も違うと思うのですが、今日のように学校に出向いて活動してもらうに当たって、心がけていらっしゃることはおありなのでしょうか。
岩井さん
犬も得意不得意はそれぞれ違います。お子さん達が犬とやってみたい事と、自分の犬がやってもらって嬉しい事をうまく選んで活動内容にするよう心がけています。
千葉さん
代々コーギーを飼っていますが、一頭一頭みんな性格が違うので、やり方も違う。小さいうちに、動物管理センターでの自主研修で、この犬はどういう性格なんだろうというのを見て、その犬に合った動き方をしています。こちらの思いだけで活動するのではなく、性格を見ながらあまり負担をかけないようにということは、私がずっと代々基本にしていることです。こどもが好きな犬もいるし、苦手という犬もいます。そういうときは、学校での活動ではなく、高齢者施設などに連れて行くなどの配慮をしています。
岩井さん 千葉さん
市長
犬を飼ってらっしゃって、この活動に入ろうというふうに思われたそのきっかけというのは、何だったのでしょうか。
後藤さん
私は、近所の犬仲間の方が先にエーキューブに入られていて、その方から誘われたというのが最初のきっかけです。次に迎えた犬たちは、この小学校や高齢者施設などの訪問活動を目指して、いろいろと経験を積ませて、小さいときからこどもたちが好きになるように心がけてやっています。やはり愛犬と一緒に活動できるというのは、私自身もとても楽しみなことで、こどもたちの喜ぶ顔が見えることも嬉しいことですので、こういったことを目標にしています。だから無理やりさせるわけではなく、お互い楽しみながら活動しています。
市長
今日のAAEの活動では、犬がちょっと苦手というお子さんは赤い帽子をかぶっていると教えていただきましたが、そのようなお子さんたちも、犬に手を伸ばして触っていたり積極的に参加したりしていて、最後は「また来てちょうだい」と話したりもしていました。そういった表情を見るのも、とても嬉しいことですよね。
佐々木さん
私は亡くした犬は大型犬で、17年間一緒に生活をしました。私は犬を飼ったこともなければ、犬が好きでも嫌いでもなかったのですが、きっかけがあって暮らすことになりました。はじめはうまく暮らしていく方法を知らず、しつけも上手にできなかったので、トレーナーの先生について一生懸命勉強しました。その先生が愛犬と動物介在活動をされていて、訪問していた特別支援学校に私も犬を連れて行ったのが初めての活動でした。うちの犬は、普段はハイテンションですが、そのお子さん達の前では優しい雰囲気を察知してか、じっと観察しながら静かにしている、そんな犬の様子を見てびっくりしました。それから活動を続けました。その後、夫の転勤で仙台に転居してすぐエーキューブの新聞記事を見つけ、すぐ動物管理センターに問い合わせて、設立初期に入会しました。今はサポーターとして、会員のみなさんや犬、そしてこども達の生き生きとした表情に出会えることを楽しみに続けられています。
市長
今、佐々木さんからは犬の方の変化についてもお話をいただきました。実際にこの動物介在教育AAEが、どのような効果を人々に与えておられるとお感じになるか、お話していただけますか。
岩井さん
学校だったり高齢者施設だったり、私たちはそれぞれの施設によって接する方法に工夫を凝らして活動しますが、どの会場でも、犬と関わる人達はみんな笑顔になってくれてくれます。そのことがすごく嬉しいですし、楽しい気持ちになります。犬は接する人たちを和ませる、笑顔にする、そういう力があるんだなと、活動しててすごく思います。
市長
東日本大震災から15年ですが、あの折に私も、ワンちゃんを連れて避難所に入れず、近くの駐車場でずっと車中泊をしているという方にお会いし、いろいろとお話をさせていただいたことがあります。何か起きたときに、ペットと同伴でも身の危険を回避しなければいけないし、ワンちゃんネコちゃんたちの危険も回避しなければいけない。そしてまた、避難されてる他の方々に迷惑かけてもいけないしというので、飼い主の皆さまたちもご苦労がおありだったと思います。それを契機に、皆様方も、「災害が起きたときにはこのようにすると良いですよ」というようなこともあわせて、取り組まれていると承知しています。この点についても、少しお話をお聞かせいただければと思ます。
千葉さん
東日本大震災では、動物管理センターと仙台市獣医師会のもとで活動していた仙台市内だけでなく、私たち単独で、気仙沼、南三陸方面から山元方面まで動いてました。避難所や仮設住宅でいろいろお話をする中で、やはり悲しいお話も聞くんですよね。犬を助けるためにご家族が犠牲になってしまった、でもこの犬を抱いて寒さを耐えて今がありますというようなお話など。やはり犬というのはすごくかけがえのない存在。地震津波だけではなく、最近は大雨による河川氾濫などの被害も大きいので、そういう時にはペットも一緒に避難しましょうと呼びかけています。ペットを助けるということが人も助けることになる。そのことを呼びかけることが、私たちの役目かなと思っています。
市長
仙台市の防災未来フォーラムですとか、いろいろな区民祭りですとか、いろんなところでそういう広報もしていただいているのがとてもありがたいなというふうに思います。
後藤さん
ペットを飼うということは個人の問題になってしまいます。避難所には、やはり犬がお嫌いな方もいらっしゃるし、アレルギーがある方もいらっしゃいますが、「ペットの命を守るというのは、飼い主の命も守ることに繋がる」ということのご理解をいただく啓発をさせていただいています。そのときに飼い主は、「避難所に行けば何とかなる」ではなく、避難所に行くためにはどのような準備をしなければいけないのか。例えば、フードの備蓄、やみくもに吠えてしまう犬だったらどうするか、また、日頃から避難することを考えて、ケージにでおとなしくしているとか、そのような話もさせていただいてます。ただ、避難所だけが避難場所ではないということも、あわせて伝えています。東日本大震災のとき、道路が一本違うと被害状況やライフラインの復旧状況は全く違っていました。日頃から、犬仲間猫仲間同士でコミュニケーションをとって、どこか預かってもらえるような関係を築いて、災害に向けて準備しておくということは飼い主の責任ですよ、というお話もあわせてしています。あとは、飼っていない方や避難所運営される方たちには、ペットを置いて逃げるということはできないんですとお話して、ご理解を深めていただいております。
市長
ありがとうございます。飼い主への理解、そして、飼い主の責任とはどのようなことなのかということもあわせて、皆さまにはいろいろと活動していただいてるんだなというのを実感することができました。大変ありがたく思ったところです。
市長
今日はAAEを見させていただきました。その他にもAAA(動物介在活動)などいろいろな活動がおありとのことですが、これまでの活動の中で何か楽しい思い出ですとか、エピソードがありましたら、お話いただけませんでしょうか。
後藤さん
本当にささいなことではありますが、この子の前の子が活動したときに、参加された方から「ああ、この子がうちに遊びに来てくれないかな。」としみじみ言われたことは、ほっこりとした、嬉しいエピソードでした。参加者は元気な男の子だったのですが、触る手がすごくやさしくて、とてもにこやかな気持ちになりました。
佐々木さん
うちの犬はラブラドールで体重が36、37kgぐらいありました。大型犬は存在感があるといますが、不登校のこどもたちのところへ活動に行ったときに、うちの犬はじっとして騒がなかったので子ども達は馴染んでくれて。その穏やかなムードに安心したのか、正座している男の子のところに行って太ももに座っちゃったんですよね。男の子は私に「大丈夫だから」と気を使いながら、犬を驚かないように座らせてくれていました。そういう優しさがうれしかったです。あとは町内会の元気な高齢の方たちが集まった集会所へ伺ったとき。うちの犬は15、16歳ぐらいで、足腰が少しヨタヨタしていたので、うちの犬を見て「頑張れなー。また会えるまで、こっちも元気で頑張って運動もしておくから、また来てな」というふうに言ってくださって。お互い励みになる嬉しい言葉でしたね。
岩井さん
私は以前、この前の犬のときに、病院でも活動していました。手足が不自由なため犬にさわることも難儀な方が、うちの犬をジーっと見た後、ニイっと笑ってくれたので、私自身もすごくうれしくて、いまだにあの犬の活動として思い出に残っています。触れるわけでもないのに、見つめ合うだけで心が溶けて通じ合うというか、今でも忘れられない1シーンです。
千葉さん
私の場合は、重度の知的障害の方の施設ですね。別の犬と年4回行ってるんですけども、車椅子で生活され、表情の違いや感情は普通の人が見たら全くわからない。ですが、犬とお散歩したり芸を見せたりして、施設の方とも一緒に表情を見てると、毎回、変わってくるなあと感じます。施設の方も一緒に大笑いして、その場が和んだりもします。本当にわずかな表情の差なのですが、それを見ると、この人にとってこの瞬間は大事な時間だったんだなあと思います。
市長
皆様方がこうやって活動を長く続けておられる、その理由の一端を、お伺いすることができたというふうに思います。さまざまな、言わば感動を、ワンちゃんと皆様方が感じながら続けておられるというのを教えていただきました。ありがとうございます。
市長
今後も活動はずっと続いていかれると思いますが、今後に向けた想いについて、教えていただけますか。
千葉さん
2頭の犬がいますが、彼らが元気なうちはぜひ活動していきたい思っています。
岩井さん
犬には、犬が持つまっすぐな気持ちを人に伝えて心を和ませるという力があるので、もっといろいろな施設にこの活動が広がればいいなとすごく思います。ただ、そのためには、犬の数だけでなく人の数も必要。お仕事をされている方でも、休日お休みの方も平日お休みの方もいらっしゃると思いますが、私たちが実際にお会いできない人にも、今日の機会を通じて広くみなさんに活動を知ってもらえれば大変ありがたいと思います。
佐々木さん
聞くところによると、「犬や猫が好き」、「犬も猫も嫌い」という人たちが、一割ずつぐらい、ずついると聞いています。あとの8割は好きでも嫌いでもどちらでもない方だそうです。私は、実際に犬がいなくなると、中間の立ち位置かなと感じます。このどちらでもないと思っている人に、優良飼い主と動物の存在で、「犬も猫も飼っていないけれど、人も動物も幸せに暮らせる街なんだ」と伝えられるのがエーキューブの活動かなと思います。うちの犬が長生きできたのは、エーキューブに入って健康のことやしつけの仕方を学べたからということも大きいと思いますし、活動を通していろいろな経験を重ねたことで地域とも繋がりができたと思うので、本当に入って良かったなと思っています。ですので、この会が続いていってほしいのですが、入会してくださる方は多くはない状況です。その辺りは、がんばるところかなと思います。動物が好きでも嫌いでもない、嫌い、と思っている方々に動物との共生いいかも、と思ってもらえると、障害がある方とか、いろいろなことを抱えながら暮らす方にも、優しく住みやすい地域になるということに繋るのではないかと感じています。
後藤さん
動物管理センターのみなさんがとても一生懸命応援してサポートしてくださっていて、今後もこのような関係を大切にしつつ、次につなげていかなければというのは、理事長としての私の一番の課題です。ですので、今日がいろいろな方たちに見て知っていただくきっかけになればうれしいなと思います。防災関係のペット同行避難については、私たちが長年取り組んでおり、取材を受けたりもしました。一方で、動物介在活動はまだ認知度が低い状況ですので、少しずつ上げていく努力をしていかなければいけないと強く思っているところです。
市長
ありがとうございます。今、もっと多くの方に知ってもらいたいというお話もありましたが、何人くらいいらっしゃるのでしょうか。
後藤さん
今、正会員で53人名です。
千葉さん
その中で犬が登録数で約10頭です。「うちの犬にはできない」と思わずに、まずは入って色々学んでもらいたいなと思います。
市長
何か特別訓練などは受けてはいらっしゃるのでしょうか。
後藤
動物管理センターで、月に一回自主研修会を行っています。そのほかに動物管理センター主催でいろいろな先生をお呼びして、私たちも学ぶ機会をたくさんいただいています。基本を学んで、私たちが繰り返し練習台になってデビューに臨むという形です。
市長
なるほど。ぜひ、多くの方に参加していただいて、この活動が広がっていけば良いなとあというふうに、私自身も思いました。
今日は、AAE活動でこどもたちの表情のすばらしかったということもとても印象的でしたし、皆さまがこの活動に誇りを持って、いろんな感動を得ながら続けていらっしゃるということも、私もとても感動しながら受け止めさせていただきました。皆さま本当にありがとうございました。
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