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更新日:2024年6月13日
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レストラン ミュージアムショップ オリジナルグッズ 仙台市博物館刊行物
令和5年度「仙台市博物館調査研究報告」第44号には、以下の論文等を掲載しました。
菅原美咲
仙台藩の正月行事である野始について、主に伊達治家記録を中心に通史的に分析した。元禄期以前までは、藩主在府時も一門を名代として野始を実施していたこと、生類憐れみ令の前後および廃止以後における野始の内容の変化、近世後期の凶作や倹約に伴う行事の中止の増加などを明らかにした。あわせて、野始絵図と城下近郊の狩場に関係する絵図を分析し、描かれた場所の特徴や内容について明らかにした。
黒田風花
伊達輝宗発給文書の実物や影写、写真等を調査し、輝宗の代表的な花押と同一のものとみられてきた花押が使われた文書を検討し、この花押が家中宛書状のみで用いられた型であることを明らかにした。また、輝宗がほかの花押も宛所によって使い分けていた可能性を指摘し、輝宗の花押や印判の使い方については宛所との関係を含めて再検討する必要があることを課題として提示した。
明石治郎、村岡淳子
本稿は、前号に引き続き『仙台市史 資料編 伊達政宗文書』全四巻、『市史せんだい』Vol.17~30所収の「史料紹介 伊達政宗文書・補遺」(一)~(十四)に未掲載の新出資料を新補遺として紹介するものである。今回は十二点の新出資料の翻刻と写真図版、九点の新調査資料の写真図版を掲載した。
寺澤慎吾
本稿は、仙台藩最後の御用絵師の一人、佐久間晴岳の事績や重要作品について紹介したもの。西公園にある晴岳碑をもとに、幕末・明治の激動の時代を生きた一人の絵師の生涯をたどるとともに、画期となる時期の作品を提示した。単に狩野派の絵師ということでなく、父の冥福を祈って制作した作品や自娯のためにも絵を描いたという側面があり、また、教育者としても活躍した晴岳の人物像の一端を示した。
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