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更新日:2024年10月15日

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ギャンブル等とのつきあい方にお悩みの方へ

目次

  1. はじめに
  2. ギャンブル依存のセルフチェック
  3. ギャンブル依存とは
  4. ギャンブル等依存症のメカニズム
  5. 最近のギャンブル依存の傾向
  6. ギャンブル依存からの回復のためには
  7. 大切な人がギャンブル等依存で悩んでいたら
  8. ギャンブル依存の問題を抱える本人や家族等が利用できる機関

 1.はじめに

 依存症(嗜癖)とは、アルコールや薬物のような物質に対する依存(物質依存)と、買い物、窃盗などのある特定の行為に対する依存(行動依存)に分類されます。「ギャンブル依存」は行動依存に分類されます。

 依存症に共通することは、理性をつかさどる脳の一部分(前頭前野)の働きが悪くなり、「ギャンブルの刺激に対して過剰に反応する」「やってはいけない状況でも、強い衝動を抑えられず、ブレーキが効かなくなる」状態になり、繰り返しギャンブルを行うことで「賭け金に対する感覚が徐々に麻痺する」といった状態になります。

 国では平成30年に「ギャンブル等依存症対策基本法」を施行し、この動きを受けて、宮城県では令和6年3月に「宮城県ギャンブル等依存症対策推進計画」を策定し、仙台市を含む県内全域の依存症関連問題対策に取り組んでいます。

 2.ギャンブル依存のセルフチェック

ギャンブル等依存症の簡単なセルフチェックツールに「LOST」というものがあります。

  • Limitless)ギャンブルをするときは、予算や時間の制限を決めない、決めても守れない
  • Once again)ギャンブルに勝ったとき、「次のギャンブルに使おう」と考える
  • Secret)ギャンブルをしたことを誰かに隠す
  • Take money back)ギャンブルに負けたときにすぐに取り返したいと思う

[出典:田中紀子、松本俊彦、森田展彰、木村智和、病的ギャンブラーとギャンブル愛好家とを峻別するものは何か:LINEアプリ・セルフスクリーニングテストを用いた病的ギャンブラーの臨床的特徴に関する研究、日本アルコール・薬物医学雑誌、2018,53(6):264-282.]

4項目のうち2項目以上あてはまっていたら、ギャンブル等依存症の可能性があります。

 3.ギャンブル依存とは

 ギャンブル等依存症とは、ギャンブル等にのめり込んでコントロールができなくなる精神疾患の一つです。国際的な精神疾患の診断基準でも、”病的賭博”、”ギャンブル障害”として位置付けられています。

 ギャンブル等依存症の特徴として、以下のようなことがあげられます。

ブレーキがきかない

  • 「お金がないから少しだけ」と思っていても、適当なところで切り上げることができず、結果的に借金をしてまでもギャンブルにのめりこむ
  • これ以上ギャンブルをしてしまうと、家族や仕事にも多大な影響が及ぶとわかっていても、ギャンブルを優先する

問題を認めようとしない

  • ギャンブルで明らかに問題が生じているにも関わらず、自分の問題として捉えようとしない
  • 借金が増える、家族を困らせる、仕事でミスが増えるなどの問題が明らかになっても、「いつでもやめられる」「次に勝ったらやめる」と、事態を過小評価している

周囲の身近な人を巻き込む

  • 本人にとって身近な人、特に家族が、借金の返済に奔走したり、事態に巻き込まれたりすることが多い
  • 身近な人ほど悩み、ストレスを抱え、疲弊が強く生じる

やめたいけど続けたい

  • ギャンブルの問題を抱えた人すべてが「一生ギャンブルを続ける」と考えているわけではない。
  • 「快感が忘れられない」「勝つまでは絶対にやめない」と思う一方で、「生活が成り立たない」「家族や職場に迷惑をかけてしまう」といった気持ちも抱え、「やめたい」でも「続けたい」の間で揺れ動いている

 

 ギャンブル等依存症の症状としては、以下のような症状があります。

  • ギャンブルにのめり込む
  • 興奮を求めて掛金が増えていく
  • ギャンブルをしないと落ち着かない
  • ギャンブルをやめようとしてもうまくいかない
  • 負けたお金をギャンブルで取り返そうとする
  • 負けが続いても最終的には勝てると確信する
  • 負けたことはよく覚えていないが、勝ったことはよく覚えている
  • ギャンブルのことで嘘をついたり借金したりする など 

 4.ギャンブル等依存症のメカニズム

 ギャンブルをやめられないメカニズムは、脳の異常が原因と考えられています。ギャンブルをやり始めて大儲けしたときなどは、脳の刺激を感じる部分が強く反応して快楽物質がたくさん出ます。

 しかし、ギャンブルをやり続けて依存状態になると、少しずつ反応がにぶり、「ギャンブルをしたい」という強い欲求がわいてきます。欲求を満たそうとギャンブルをしても満たされず、ますますエスカレートしていきます。

ギャンブルに依存していく課程 出典 文部科学省 ギャンブル等依存症などを予防するために生徒の心と体を守るための指導参考資料4ページ

 5.最近のギャンブル依存の傾向

ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査(令和2年度依存症に関する調査研究事業より)
調査項目 調査結果
国民のギャンブル等※行動経験がある人のうちギャンブル等依存が疑われる割合 男性3.7%、女性0.7%(全体2.2%)
ギャンブル依存が疑われる人のうち過去1年間にギャンブルで使った金額 ひと月当たり5万円(中央値)(疑いのない人は、ひと月当たり1万円(中央値))
ギャンブル依存が疑われる人の心理面への影響 ギャンブル等依存がないと考えられる群よりも「抑うつ・不安が高い」「自死念慮」がある割合が有意に高い
家族や重要な他者にギャンブルの問題がある割合 14.4%(問題のある当事者は「父親」「配偶者」「兄弟姉妹」)
ギャンブル依存が疑われる人の家族等が受けた影響 「浪費・借金による経済的困難が生じた」「ギャンブル等をやめられない人に怒りを感じた」「家庭不和・別居・離婚を経験」など

※ギャンブル等:パチンコ・パチスロ・競馬・競輪・競艇・オートレース・サッカーくじ・証券の信用取引・先物市場への投資・FX・インターネットを用いたギャンブル・海外カジノなど

 6.ギャンブル依存からの回復のためには

「今日一日」を積み重ねる

 脳に過度な刺激を求める回路ができあがると、前の状態の脳に戻すことは難しいと言われています。しかし、ギャンブルをやめ続けることで、問題のない社会生活をめざすことも可能になります。やめ続けるには、ギャンブルをしたいときにどのように対処するか、ギャンブル以外のことをする時間をどう増やすかが大切です。

一人で抱え込まない

 依存症は、脳の仕組みによりコントロールが難しくなる脳の病気と言われています。意志や根性で解決しようとしてもなかなか上手くいきません。専門のクリニックや病院、行政の相談窓口などに相談する、ギャンブルの問題から回復をめざす仲間がいる自助グループに参加するなど、支援者や仲間を増やすことが大切です。

 7.大切な人がギャンブル等依存で悩んでいたら…

 大切な人がギャンブルの問題で悩んでいるときに、周囲の人がギャンブルをやめさせることは難しいですが、ギャンブル等依存からの回復をめざすための手助けはできます。そのためには、周囲の人が「依存を正しく理解し、対応を学ぶこと」が大切です。

 対応の一例

    大切な人がギャンブル等依存で悩んでいル時の対応の一例

 8.ギャンブル依存の問題を抱える本人や家族等が利用できる機関

  • 医療機関:東北会病院(宮城県依存症専門医療機関・依存症治療拠点機関)
  • 相談機関:仙台市精神保健福祉総合センター(はあとぽーと仙台)
  • 自助グループ・民間の支援機関

 [当事者向け]

  GA仙台グループ・みやぎグループ

  ギャンブル依存症問題を考える会

 [家族等向け]

  ギャマノン

  全国ギャンブル依存症家族の会宮城

 

※相談機関の詳細は依存症関連の相談」、「ひとりで悩まず、まず相談を(相談機関等一覧)」のページをご覧ください。

お問い合わせ

健康福祉局精神保健福祉総合センター

仙台市青葉区荒巻字三居沢1-6

電話番号:022-265-2191

ファクス:022-265-2190