「ひきこもり」の状態像は様々ですが、社会参加(就学、就労等)をせず、自宅で過ごすことが中心になっている状態のことを指します。
以下に、「ひきこもり」の基本的な知識について解説いたしました。是非、ご覧ください。
目次
- 「ひきこもり」について考えてみましょう
- 「ひきこもり」ってどのようなことですか?
- 「社会的ひきこもり」とは?
- ひきこもっている本人の気持ちは?
- 家族はどう対応したらいいのでしょうか?
- 「ひきこもり」はどこに相談すればいいのですか?
「ひきこもり」とは、厚生労働省の定義では、「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」であり、時々は買い物などで外出することもあるという場合も「ひきこもり」に含める、とされています。
つまりは、長期にわたって自宅で過ごすことが中心で、就労や就学などの社会参加から遠ざかっている状態のことを指します。なかには、コンビニや散歩等、外出が可能な人もいます。
例えば、
- 学校を卒業したり中退した後、仕事につかずずっと家にいる
- ある日突然仕事をやめてしまい、人間関係を一切たっている
- 自分の部屋に閉じこもっていて、家族とも話をしようとしない
- 昼夜逆転の生活をしていて、夜中になるとコンビニなどに出かける
「ひきこもり」の要因は様々です。心の病気が原因である場合もあれば、とりたてて原因といえるものがみつからない場合もあります。「ひきこもり」からの回復のためには、まず家族の適切な理解と対応が大切になります。
「ひきこもり」は病気の名前ではありません。「ひきこもり」は状態を指す言葉で、その背景は様々です。
どうして「ひきこもり」になるのでしょうか?
- 精神疾患が影響している場合
統合失調症、うつ病、強迫性障害、パニック障害などの病気が影響し、ひきこもりになることがあります。
精神科医療機関での治療が必要です。
- 発達障害が影響している場合
発達障害の特性が影響し、ひきこもりになることがあります。
発達障害の特性に合わせた支援が必要です。
- 精神疾患や発達障害が原因でない場合
この場合を「社会的ひきこもり」と呼びます。(上記の1、2の一部が含まれる可能性があります。)複数の要因が複雑に絡み合った結果、「社会的ひきこもり」に至ると考えられます。必ずしも要因が分からないとひきこもりから回復しないというわけではありません。今できることから考え、取り組んでいくことが大切です。
「ひきこもり」は誰にでも起きうる状態です。
どこの家庭でも「ひきこもり」は起きる可能性があります。「家族に問題がある」などと詮索しても、答えが見つからないことが多いのです。
明確な定義はありませんが、「20代後半までに問題化し、6か月以上自宅にひきこもって社会参加しない状態が持続しており、他の精神障害がその第一の原因とは考えにくいもの」といわれています。
社会的ひきこもりにはいろいろなタイプがあります。
- 不登校から引き続いて、卒業や中退後もひきこもっている人
- 受験や就職などの挫折経験をきっかけにひきこもっている人
- 小さい頃のいじめなどの影響からひきもっている人
- 職場等で不適応をおこしてひきこもっている人
このような状態になることもあります。
- 昼夜逆転
- 強迫行為(細かいことにこだわって確認を繰り返す、汚れを異常に気にするなど)
- 子どもがえり
- 家庭内暴力 など
ニートとは?
- 「NEET Not in Employment, Education or Training(ニート)」とは、学生でもなく就業者でもなく、求職活動もしておらず主婦(主夫)でもない15歳から34歳の者をさします。「ひきこもり」問題と一部重複するといわれています。
- 傷つきやすさ・自信のなさ
ひきこもっている本人の多くは、こころが傷つきやすく、自信がもてない状態にあります。自分の今の状態を人に知られたり、とがめられたりすることを避けようとして、なおさら心理的・物理的にひきこもらざるを得ないのです。
- 自責感・焦り・苛立ち
社会や家庭で一定の役割を果たせていないことを、本人が一番気にしています。そして自分を責め、悩んでいるのです。
- 周囲への不信感・敏感さ
1人でゲームやビデオなどに没頭しているケースが見られますが、心底楽しんでいるわけではありません。家族の期待や不安に過敏に反応し、不信感を抱いたり、非現実的な夢を空想したりしながら、人一倍神経を使っています。
- 助けを求めたいが、ためらう気持ち
家族に負担をかけ続けるのは心苦しいけれど、かといって自分が何をしたいのか、何が出来るのか分からず、行動をおこす意欲もなかなか出てきません。それでも、こころのどこかで何とかしたい、自分を理解して欲しい、という気持ちを抱いているものなのです。
家族は焦りや将来への不安などを抱えて、ストレスを感じています。まわりの人に相談することが出来ず、部屋にいながら孤立しています。
家族も心理的にひきこもった状態といえます。
対応のポイントは?
コミュニケーションの仕方を工夫してみましょう!
- 本人の自信の回復に向けた言葉がけ
「おはよう」などのあいさつや、「ご飯出来たよ」等の日常会話をこころがけましょう。
本人への関心を言葉で伝えましょう。
- 本人の出来ている事を見つけ、認めてあげたり感謝の気持ちを言葉で伝えましょう。
食事後、食器を下げてくれる、ゴミ捨てをしてくれる等、出来て当たり前と思えることでも、認めたり、感謝の気持ちを伝えることが大切です。
精神保健福祉総合センター(はあとぽーと仙台)での相談・支援
発達障害の可能性のある「ひきこもり」に関する相談機関
(青葉区・宮城野区・泉区にお住まいの方)
- 仙台市北部発達相談支援センター(北部アーチル)
電話:022-375-0110
住所:仙台市泉区泉中央2丁目24番1号
(若林区・太白区にお住まいの方)
- 仙台市南部発達相談支援センター(南部アーチル)
電話:022-247-3801
住所:仙台市太白区長町南3丁目1番30号
学齢期の「ひきこもり」に関する相談機関
- 仙台市児童相談所
電話:022-718-2580
住所:仙台市青葉区東照宮1丁目18番1号
- 仙台市教育支援センター「児遊の杜」
電話:022-303-6551
住所:仙台市青葉区水の森3丁目24番1号
20歳くらいまでの「ひきこもり」に関する相談機関
- 仙台市こども若者相談支援センター
電話:022-214-8602
住所:仙台市青葉区錦町1丁目3番9号
その他の「ひきこもり」に関する相談機関
- 青葉区保健福祉センター障害高齢課 (代表電話 022-225-7211)
宮城総合支所保健福祉課 (代表電話 022-392-2111)
宮城野区保健福祉センター障害高齢課 (代表電話 022-291-2111)
若林区保健福祉センター障害高齢課 (代表電話 022-282-1111)
太白区保健福祉センター障害高齢課 (代表電話 022-247-1111)
秋保総合支所保健福祉課 (代表電話 022-399-2111)
泉区保健福祉センター障害高齢課 (代表電話 022-372-3111)
- 仙台市ひきこもり地域支援センター(ほわっと・わたげ)
電話:022-285-3581
住所:仙台市若林区遠見塚1丁目18番48号