ホーム > 事業者向け情報 > 経済・産業 > 中小企業支援 > 支援メニュー > 新事業を展開したい > 施策 > 仙台市中小企業チャレンジ補助金 > オリジナリティーを表現するブランド「itch(イッチ)」立ち上げ Tシャツやバッグで発信【仙台市中小企業チャレンジ補助金取組事例】
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更新日:2023年3月24日
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イラストレーターとして2007年ごろから活動を始めたDEPART(デパート)さん。墨絵、線画、デジタルなど手法も作風も多彩で、ポスターやパンフレット、商品パッケージ、ロゴ制作、店舗の内外装などさまざまな仕事を手がけてきた。
広告代理店からの発注を中心に仕事は順調だったが、新型コロナの影響で2020年以降イベントや広告関連の受注が減少。普段はクライアントの要望に合わせて作風を描き分けているが、以前からオリジナルの作風による制作もしたいと考えていたこともあり、この状況を「依頼を待つだけでなく自ら発信することへ挑戦するチャンスだ」と捉えた。
そこで作家としてのオリジナリティーを表現するブランド「itch(イッチ)」の立ち上げを構想、まずは「趣味の延長のような感じで」制作活動をスタートした。
ちょうどそのころ、仙台市の中小企業チャレンジ補助金の存在を知った。長引くコロナ禍の中、itchを新たな販路として成長させたいと考え、応募し採択を受けた。専用器具や材料を揃え、本格的に活動に取り組むことになった。
(シルクスクリーンで作品制作を行うDEPARTさん)
itchは版画の一種であるシルクスクリーンという印刷技法を用いてアパレル製品や雑貨を制作するハンドメイドブランド。イラストレーターであるDEPARTさんは原画から制作できるのが強みだ。ドットや線、文字を使った柄や、とぼけた表情の動物などをTシャツやバッグにして作品を生み出した。
マルシェに出店 交流深めノウハウ学ぶ
ECサイトで販売を始めたが、多くの人に知ってもらうため精力的にマルシェへも出店。1年で宮城県内外合わせて16回参加したといい「接客は初体験でしたが、お客さまや他のクリエイターと直接交流でき刺激を受けた」と話す。イラストやシルクスクリーンに興味を持ってもらい、オリジナルグッズの制作やワークショップの依頼にも繋がった。
(マルシェに出店する様子)
補助金の採択をきっかけに、仙台市から中小企業のビジネス支援を行う仙台市産業振興事業団を紹介された。頻繁に足を運び、専門家から助言を受けて活動に生かした。「商品開発やマーケティングを何も知らずに飛び込んで、学ぶことばかりの1年でした」と振り返る。
この春の新商品は、マネキン風の木製イラストハンガー。顔の部分に、にっこりほほ笑む女性や男性、ネコ、東北らしいこけしをあしらった。「Tシャツとセットでインテリアのように楽しんでもらいたい」とDEPARTさん。
(新商品のマネキン風木製ハンガー。ひとつひとつ手刷りで制作している)
マルシェでの売り上げは好調だったが、ECサイトの売り上げはまだ目標に届かない。今後はさらに多くの人の目に触れる場所での販売や、セレクトショップなどとコラボした商品開発を通して知名度を高め、ECサイトへのアクセスを増やしたいと考えている。
「顧客の要望を形にする職人的な仕事も、今回始めた作家としての仕事も、どちらも好きで大切。ずっと描き続けたい」。これからも両輪で活動し、スキルを磨いていく。
(令和5年2月取材)
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