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更新日:2022年9月16日
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山﨑金型設計事務所は2002年に設立。主な事業は自動車部品や医療機器などの金型設計であり、代表の山﨑敏彦さんは自宅兼事務所で毎日を過ごす。そばにはいつも家族同然のペットがいて、山﨑さんを見守っていた。
数年前からは妻の江美さんが経営するトリミング&ペットホテルの仕事を手伝うようになった。江美さんの顧客と親しくなるにつれ、「ペットが亡くなったとき」について心配する声を聞くことが増え、山﨑さんは実感をもってその声を受け止めていた。
「私自身愛犬を3度見送り、非常につらい思いをした経験があります」と山﨑さん。自身の経験をきっかけに、ペットを亡くした方に寄り添いたい、そんな思いを強くしていった。
コロナ下の巣ごもり需要などで、ペットの飼育数は大きく増えているが、ペットを迎えればいずれ別れが訪れる。「ペットは家族同然の存在。別れのときは、思い残すことなくお見送りしていただきたい」そう考えた山﨑さんは、訪問ペット火葬事業に挑戦することにした。
事業に挑戦するにあたり活用したのは仙台市の中小企業チャレンジ補助金。コロナによる社会の変化に適応した、新たなサービスに取り組む事業者を支援する補助金だ。
(火葬炉を積んだ専用車両と代表の山﨑敏彦さん)
訪問ペット火葬は、煙やにおいの出ない火葬炉を車内に設置した専用車で依頼主宅へ出向き火葬を行うサービス。家族とペットが共に過ごした自宅そばで別れを告げ、骨上げを行う。
ペットを見送るときには、専用の斎場を利用する人が多いが、混み合うことが多く、コロナ禍で敬遠する人もいる。合同火葬ではなく、個別火葬を希望する人も多い。訪問火葬であれば、丁寧な見送りができ、斎場へ行くことが難しい人にも利用してもらえる。「悲しみの中にあっても、きっと満足できる見送りをしていただけると思ったのです」。
(煙やにおいの出ない火葬炉。周りには造花が飾り付けられている)
火葬炉の前面に淡い色合いの造花を飾り付けたのは、江美さんのアイデア。依頼主の悲しみが少しでも和らぎ、見送りの儀式が温かなものになれば、との思いを込めた工夫だ。
荼毘に付すのは大切な家族として時を過ごしたペット。中には思い出話が尽きない人もいる。そんな時は、依頼主の心が決まるまでゆっくり時間をかけてお別れの儀式を執り行うことを、山﨑さんは心がけている。
依頼主からは「慣れ親しんだ場所でペットを見送ることができた」「思い残すことなくお別れができた」など感謝の言葉が多く聞かれるという。「お客さまがホッとした顔になられたときが、この仕事をやって良かったと感じる瞬間です」と山﨑さん。これからも、お客さまの気持ちを第一に、心を込めてお別れのお手伝いをしたいと、決意を語ってくれた。
(令和4年7月取材)
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