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更新日:2023年5月25日
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■IT化で事務負担の大幅削減
―導入されたシステムの概要と、社員の方の反応をお聞かせください。
齋藤)財務会計ソフトの「大蔵大臣」、販売管理の「販売大臣」、証憑等をクラウド管理する「スマート大臣」と、営業所と本社をつなぐ社内ネットワークシステムです。
現場には長年の仕事のやり方を大きく変えてもらうわけなので、一度に全部を導入せず、まずは数字の入力など簡単なところから始めました。まず半年間は手書きの帳票からデータ入力に慣れてもらい、その後は領収証をスキャンして会計伝票と紐づけるクラウド管理にステップアップする計画です。本社経理部だけでなく営業所での作業も省力化できることを説明しながら、理解を得ていく予定です。
―システムの導入によってどのようなメリットがありましたか。
齋藤)クラウド環境と社内ネットワークが整備されたことで、複数人が場所にとらわれず直接入力でき、大幅に業務効率がアップしました。営業所の帳票類はこれまでエクセルで作成したものを印刷し本社へ郵送、こちらで経理担当者が集約して手入力していましたが、営業所で直接入力できるようになり双方の作業が格段に減りました。本社経理部でリアルタイムに各営業所の数字が把握できることもメリットです。
今後は証憑を電子データで保管しクラウドで管理するため、領収証等を綴る作業や保管場所も不要になります。
一つのデータから各種帳票をアウトプットでき、手形の期日管理やインターネットバンキング経由の支払いにも活用できるため、間違いが減り事務負担も大きく削減されます。私自身としてはもっと早く行えば良かったと感動を覚えるほど劇的な改善効果を感じました。
■間接部門の効率化が事業全体の生産性向上をもたらす
―今後新たに導入を予定しているシステムはありますか。
齋藤)クラウド管理が慣れてきたら、次は経費精算のシステムに取り組みたいですね。スマートフォンで領収証の写真を撮ってデータとして取り込み、ペーパーレスで経費精算ができる仕組みです。現金の取り扱いリスクも大きく減らせます。
亀山)間接部門での効率化は、当社の事業全体の生産性向上に貢献します。事務作業の軽減は働き方改革にもつながりますが、本来の目的は時間を付加価値の高い業務に有効に活用することです。
また、当社では伐採や維持管理などを外部の協力者に委託することもありますが、その際の日当を、例えば月締めの翌月払いなどではなく、システムを活用することで当日の仕事に対して当日支払うことも可能になります。そうなれば、林業の新たな働き手を増やせる可能性もあるでしょう。
―ビジネスでも持続可能な社会の実現に向けた取り組みが求められており、林業は、その重要な役割を果たしていると思いますが、その一方で、林業従事者は年々減少傾向にあります。
亀山)林業は、これまで「木を伐る仕事」として、環境破壊の象徴といわれた時代もありました。現在では、CO2排出抑制のためには、木を一定期間で適切に植え替えていく必要があると一般に理解されるようになり、仕事の内容は昔から変わっていないのですが、SDGsの観点から林業に対する社会の評価が変わってきたと感じています。
しかし、国内の林業従事者は、10万人にも満たないのが現状です。国土の7割が山林だというのに、これはあまりに少ない。森林環境を保全し、未来に継承していくためには、これまでと同じような仕事のやり方では、持続可能性が見込めません。
IT化をはじめとする業務改革は、事業の継続性に大きく関わっています。責任を持って50年先の森林を維持管理していく上でも、IT化による業務の効率化や、データの蓄積と活用が必須と考えています。
■森林の価値を最大し共有する未来
―会社組織の持続性の観点では、人材確保が重要だと思いますが、その点で採用活動などはどうされていますか。
亀山)近年、採用活動を強化しています。実は、今回のシステム導入以外にも、当社では山林の査定などにドローンやAIなどの技術を活用し、より付加価値の高い「スマート林業」の実現に向けた取り組みも進めています。採用活動に力を入れたからこそ、こうした取り組みを社内で推進できる優秀な人材も加わってもらえるようになりました。
試験導入中の査定用ドローン
亀山)並行して、毎年新規採用を行っています。今年は、初めての外国籍の新入社員を迎えました。筑波大学大学院で環境科学を学んだインド出身の方で 、当社の経営理念の「すべての人々と共有する 森林の価値を最大化する」に感銘を受けたと採用試験に来てくれました。最終の役員面接で、山林部の大ベテランの社員が、「日本の自然を良くしたいというわれわれの感覚と一致していて、当社の将来に必要な素晴らしい人材」と評価しました。最も重要な経営理念だけは、英語併記していたのですが、それが優秀な人材獲得につながりました。
宮城十條林産株式会社の経営理念
すべての人々と共有する 森林の価値を最大化する Maximize the forest values shared with all people |
この春新たに入社された サルマ ラギニ さん
―経営理念を定め、それを共有する重要性が良く分かります。
亀山)私たちは、これまで山主が所有する木に最大限の価値をつけてお金に換え、お戻しする仕事をしてきました。しかし、山主が山を持つことの価値も、これからは変わっていきます。山そのものの価値だけでなく、適切に循環させていくことで、単純に価格だけでは計れない価値が生まれてくるはずです。経営理念に掲げるように、私たちは森林の価値を多面化、最大化し、すべての人々と共有していきたいと考えています。それを実現していくため、ITやテクノロジーを活用したスマート林業に転換していく必要があると思いますので、引き続き取り組んでいく予定です。
―本日は貴重なお話ありがとうございました。
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