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更新日:2023年11月24日
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目次
ITを活用して業務効率化を図った事業者や新設備導入により生産性向上を図った事業者などを取材し、その取組を「生産性向上事例集」として紹介しています。生産性向上等のポイントを分かりやすく紹介していますので、是非ご覧ください。
株式会社寿カンパニー 仙台市青葉区本町3-4-13-1303
寿カンパニーでは「居酒屋ちょーちょ」をはじめ、人気の居酒屋4店舗を経営しています。こだわりの食材を活かした料理が評判ですが、店舗拡大に伴い仕入れ先も増え、現金での支払いや精算が多く、手作業での経理業務の負担が課題に。この状況を打破すべく、クラウド会計とビジネスカードを導入。業務を効率化し、お客様のために料理づくりに注力できる体制を整えました。
2012年、青葉区国分町に「居酒屋ちょーちょ」を開店した寿カンパニーでは、こだわりの食材を活かした料理と活気ある接客が評判となり、現在では、仙台市内に3店舗と沖縄県那覇市内に1店舗の計4店舗の居酒屋を経営しています。店舗拡大に伴い仕入れ先も増え、現金精算など手作業での経理業務の負担が課題となっていました。この状況を改善すべく、クラウド会計と法人用クレジットカード決済を導入。業務を効率化し、社員の負担を減らしお客様への美味しさの提供に注力できる環境を整えました。導入後の変化などについて、取締役の長尾絵梨さんにお話しを伺いました。
店舗増で経理業務が煩雑化、本業に支障も
――経理業務の効率化に取り組まれたきっかけを教えてください。
店舗が増えて、より多くのお客様に自慢の料理を楽しんでいただけるようになったことは嬉しい反面、店舗拡大に伴う仕入れ先や支払額も増え経理業務が負担になってきました。「何とか変えなくては」と考えていた矢先に、長年経理業務に携わってくれた社員が退職することに。この先どうしようと悩んでいました。
――当時、どのような作業が負担になっていましたか。
支払方法は現金決済が中心で、両替や精算などが大変でした。当社では、店ごとに社員がその日いちばんの食材を仕入れてくるのでその支払いや、生産者さんから直接代引きで仕入れる食材の支払いに必要な現金、さらにお店の釣銭用硬貨などを準備し、営業終了後にレジ締めをしてその日の収支を確認して精算する作業などに、かなりの手間がかかっていました。
――現金での精算だと避けられない負担ですね。
それ以外にも、税理士事務所に共有する売上や経費のデータを作成するために、伝票やレシートから全て数値を手打ち入力し、チェックする作業も手間でした。
これまでそれを担ってくれていたベテラン社員がいなくなると、とても同じようにはできないと思い、通信設備機器などでお世話になっていた株式会社日専連ライフサービス(以下:日専連)さんに相談したところ、クラウド会計のセミナーをご案内いただきました。
経理業務を劇的に改善したクラウド会計との出会い
――セミナーで解決のヒントが得られたのですね。
セミナーで講師を務めていた方が、クラウド会計に精通していて「マネーフォワードクラウド会計」を紹介されていたのです。会計システムと銀行口座などを連携すればデータが自動で取得できて経費精算の効率化になるし、収支の状況もタイムリーに把握ができて、当社に必要なのはこれだ!と思いました。
――いいタイミングで出会えましたね。
こうしたシステムは会計のプロしか扱えない「神聖な領域」で、自分たちのような素人が使うものではないと思い込んでいました(笑)。こんな便利なものがあったなんて、これを使いこなせれば、今までの経理作業がすごく楽になると思いました。
――システムの導入は問題なく進みましたか。
セミナーで知って導入したいと思ったものの、当初は、クラウド会計は怖いものという先入観がありました。使いこなせる自信は全くなかったですが、日専連さんからのサポートや、セミナーで講師をされていた方に顧問税理士となっていただき、システム導入から使い方など、その都度、丁寧に教えていただきました。特に、今回の税理士の方は、マネーフォワード社の公認メンバーでしたので、導入支援の経験も豊富。「ここがちょっと分からないです」と相談すれば、すぐに対応してくれる。こうしたサポートがなければ、途中で投げ出していたかもしれません。
――併せて法人用クレジットカード(ビジネスカード)も導入されたとお聞きしました。
日専連さんから、同一法人のビジネスカードを複数枚発行できるサービスがあるとお聞きし、店舗ごとのビジネスカードをつくっていただきました。それに伴い仕入先にこれまでの現金精算からカード決済に変更していただきましたが、会計システムを導入されているところも多くスムーズに移行できました。
――導入の効果はいかがでしたか。
業務効率化の面では、現金のやり取りが減ったことで銀行に両替しに行く手間が減りました。何より、いちばんの効果は、今まですべて手打ちしていたデータ入力の手間がまるで嘘のように解消したことです。仕入でカード決済すると、カードごとに、いつ、どこで、どの店舗が、何を買ったのかなどの情報が、ほぼリアルタイムで把握でき、自動で会計システムに反映されるので、店舗ごとの経費精算の労力も激減しました。
また、店舗の現場では毎日の営業終了後のレジ閉めと精算業務の負担が重かったので、これがかなり軽減されました。当社の社員は、料理や接客に注力するので、こうした精算業務などの手間を減らして、お客様へのおいしい料理提供に集中できるのは、ありがたい限りです。
――会計システムとその他のシステムとの連携はありますか。
当社では、受発注やレジのシステムは、それぞれ異なるソフトを使っていますが、マネーフォワードはそれらとも相性が良く、情報をファイル連携で取り込めるので、お客様のクレジットカード払いによる売上情報も反映できます。まるで24時間休まず仕事をしてくれる経理のプロがいるようなイメージです。
――経営分析もしやすくなったのでしょうか。
はい。これまでは、税理士事務所にデータを送って月次決算にまとめていただいたものを確認していましたが、状況が分かるまで2か月ほどタイムラグがありました。そのため、店舗へフィードバックをしても「そんな前のこともう覚えていません」ということが多く、残念ながら経営に十分活用できていませんでしたが、システム導入後は、ほぼリアルタイムの数値が反映された会計レポートが出力でき、経営状況を一目で把握できます。各店舗に対して今月は「もっと食材のお金をかけても大丈夫」といった情報共有をタイミングよく行えます。
関わるすべての人が幸せになれる環境・店舗づくりを
――会計をクラウド化して以降、社内の体制は変わりましたか。
もともと店舗でサービススタッフとして働いてくれていた2人に経理業務を分担してもらっています。妊娠を機に現場での仕事が難しくなり、経理業務なら体に負担をかけずにできるのではと声をかけました。2人とも経理業務は未経験でしたが、実際にシステムに触れてもらって「これならできるかも」と返答があり、また、店舗で帳簿を付けていましたので、操作もすぐに覚えてくれました。
――働き方にも変化が生まれたのではないでしょうか。
当社は、飲食業が好きだから働いているという社員が集まっているので、社員同士、本当に仲が良く、嬉しいことに社内結婚も増えていますが、現在、店は全て夜営業の業態のため、女性の場合、妊娠・出産を機に、これまでのように働いてもらうことが難しく、会社として課題と認識していました。夜遅くのシフトは難しくても、クラウド会計システムで、時間や場所の制約なく働いてもらえる環境を用意できたことは、当社にとっての働き方改革にもつながったと思います。
――今後の展望について教えてください。
第一号店の「居酒屋ちょーちょ」が入居していたビルが建替えのため、現在こちらは閉店中ですが、ビルの再建後に再オープンすると、さらに事業規模が大きくなります。ビジネスとして収益を上げることも大事ですが、当社としてはそのための規模拡大ではなく、より多くのお客様においしい料理とおもてなしを提供していきたいと考えています。そのためには今回の経理業務効率化のように、社員がいかに働きやすい職場環境をつくっていけるかが大切だと思っています。飲食業は本当に水物で、お客様のニーズもその時々で変化していきます。これからも、そうした変化に対応しながら、お客様からはもちろん、社員からも愛される店づくりを進めていきたいと思います。
――本日は貴重なお話、ありがとうございました。
取材日:令和5年8月23日
事業者情報
仙台市青葉区本町3-4-13-1303
株式会社日専連ライフサービスは、日専連カードの他、法人カードによる金融サービスをはじめ、DX推進サポートを行っています。今回紹介した株式会社寿カンパニーの取り組みも支援されました。
IT導入補助金の「IT導入支援事業者」として、最適なソリューションの提案・導入サポートに力を入れており、その取り組みについてお話しを伺いました。詳しくは、株式会社日専連ライフサービスのインタビューページをご覧ください。
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仙台市では、市内事業者の前向きな投資や事業活動を後押しするため、補助金を活用し様々な取り組みを行っている事業者の方を取材し、『事業に役立つ!!補助金活用術』として補助金の活用事例集を発行しています。
補助金を活用するとどのようなことができるのか、実際に採択を受けた事業者の方から伺った活用方法や申請する際に工夫したポイントなどを紹介しておりますので、補助金の活用を検討している方や新たな取り組みを検討している方は、補助金活用事例集のページをご覧ください。
仙台市では、新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるために、国の「生産性革命推進事業」などを活用し、前向きな投資や事業活動を実施する市内事業者に対し、その取り組みを後押しする『仙台市地域産業応援金』を支給しています。今般の原油価格・物価高騰等の影響を踏まえ、新たに「原油価格・物価高騰等加算」を新設し、支給額を増額しています。詳しくは、地域産業応援金のページのページをご覧ください。
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