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更新日:2025年3月13日

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生産性向上事例集volume5:ふじや千舟

仙台市生産性向上事例集について

ITを活用して業務効率化を図った事業者や新設備導入により生産性向上を図った事業者などを取材し、その取組を「生産性向上事例集」として紹介しています。生産性向上等のポイントを分かりやすく紹介していますので、是非ご覧ください。

 

 「支倉焼」の変わらない味を守るために ITを活用して注文・発注管理を効率化

今回の取材先

有限会社ふじや千舟(外部サイトへリンク)

仙台市青葉区中央4-7-18(直営店舗・本店)

仙台市青葉区愛子東3-14-25(本社)

概要

有限会社ふじや千舟は、「支倉焼」を製造・販売を続け、60余年になります。フレッシュバターと卵、砂糖、粉でさっくりと仕上げた皮に、クルミ風味の白あんを包みんだ和洋菓子は、県内はもちろん、県外からも注文が多く寄せられています。一方で、工場への発注や注文管理、日報はすべて手作業で行っていました。原材料費や光熱費の高騰が止まらない昨今、効率化を図るため、大規模なIT化を図っています。

 

(PDF:1,695KB)

 

インタビュー記事

直営店舗本店の外観

「支倉焼」を製造・販売を続け、60余年になる有限会社ふじや千舟。フレッシュバターと卵、砂糖、粉でさっくりと仕上げた皮に、クルミ風味の白あんを包みんだ和洋菓子は、県内はもちろん、県外からも注文が多く寄せられています。その一方で、お客様からの注文管理や工場への発注、日報は、すべて紙と電話・ファクスで管理していました。大規模なIT化を図り、効率的な企業運営を目指しています。

その経緯や効果について、代表取締役の赤間博文さんにお話を伺いました。

 

──はじめに事業概要について教えてください。

「支倉焼」の製造販売をしています。「支倉焼」は、伊達政宗の時代、ヨーロッパに航海した支倉常長から名前をいただいた菓子で、和のおいしさと洋菓子の良さを組み合わせたお菓子です。

現在は、直営店舗5店舗のほか、7店舗のみやげ店で取り扱いがあります。製造は愛子の工場で一括して行っています。素材と鮮度にこだわり、お客様に愛される菓子をつくり続けております。

支倉焼

 

──IT導入を始めたきっかけを教えてください。

私は、2000年ごろから顧問としてふじや千舟に入り、先代と二人三脚で業務改善に取り組んできました。前職はシステム開発の仕事をしていたので、当初から情報管理に関する課題は感じていました。とはいえ、強引にIT化したところで現場が対応できなければ意味がありません。「紙の管理のほうが効率がいい」という意見も根強かったので、社員の理解を得ながら、タイミングを見てシステム導入に踏み切りました。

 

──これまでの管理方法を教えてください。

注文管理も、顧客情報も、日報・月報も、基本的にはすべて紙による管理でした。紙で送られてきた情報を必要に応じて各部署がエクセルに打ち込んで管理している状況で、必要な情報をもらうには担当部署に問い合わせる必要がありました。

特に、工場への発注に問題を抱えていました。

まず、支倉焼は賞味期限が短い菓子ですので、多く製造して保管しておくことができません。その日の必要個数を毎日工場で生産する受注生産方式で製造しています。

各店舗がお客様から承った注文は、前日夜までに流通管理部へファクスで送信されます。当日朝に流通管理部がファクスを見直して計算し、その日の生産数を工場にファクスで送信します。流通管理部が当日出社してファクスを確認するのは8時30分ごろ。計算、確認して工場に発注するのは、早くても10時ごろ。工場は早朝から動いていますので、10時までの間、工場は見込み発車で製造を開始する必要がありました。

ファクスを送信する様子

 

──IT化によって、どのように改善したのでしょうか。

注文情報を全社でタイムリーに共有できるよう、アプリ作成ツール「kintone」で発注管理アプリを作成し、各店舗でタブレットに受注数等を入力する方法を導入しました。タブレットに入力された情報は、全社が同時に確認できるため、工場も早ければ前日の夜、遅くとも当日出勤してすぐに製造個数を確認することができます。見込みを持って製造を開始できるので、残業を減らすことにもつながり、人件費削減にもなります。まだ導入から数か月しか経っていないので数字的な結果は見えていませんが、人件費や原材料のコスト削減はもちろん、従業員の業務削減にも大いに貢献しているように感じています。

タブレットに受注数等を入力する様子

 

──システム開発にあたり、工夫したのはどんな点ですか。

当社では、お客様の用途に合わせて包装や熨斗(のし)を数種類準備しています。包装紙はどれ、熨斗はどれ、表書きは、と分岐点がたくさんあったので、IT化にあたっては、その分類を設定するのが一番の難点でした。オリジナルでシステムを制作し、熨斗の知識がないスタッフでも簡単に入力できるようにしました。

 

──スタッフの方の反応はいかがですか。

導入当初は不安もありましたが、現在9割方成功していような印象です。苦手という声もありますが、一つひとつクリアしていけるように、綿密にコミュニケーションを図るようにしています。現実的にコストが減ったと実感してもらっているのは、「ファクスの受信確認」の手間を減らすことができたという点です。

ファクスの怖さは、「送信したはずなのにエラーで届いていない」というところにあります。そのような行き違いを防ぐため、当社ではこれまで、ファクスで受け取った文書に押印して送り返すことで、送受信の齟齬を防いでいました。IT化したことで、その手間がザクっとなくなったのは、大きいと感じています。

タブレットで確認する様子

 

──これから、どのようにIT化を進めていきたいと考えていますか。

たくさんありますが、まずは受注管理をきちんと浸透させることが大事だと考えています。これを成功させることが今後につながると思っています。

近い将来実行に移す予定なのは、日報・月報の管理です。各店からファクスで総務部に送信し、総務部が手作業で打ち込んでいるので、オンラインで一括管理できるようにしていきます。各店の在庫管理や、箱や包装材の管理もオンラインで共有化していきたいですね。それから配送管理です。輸送費が上がっていますが、当社では3000円以上のお買い物で送料無料としています。いかに効率よく運送会社に依頼できるかが重要なので、配送管理のオンライン化は経営に大きく影響すると考えています。

データが蓄積できれば、工場の製造管理も簡単に予測できるのではと期待しています。これまでは手書きのノートから過去のデータを拾って、発注数を計算してきました。実数値のデータをすぐに見られるようになるのは大きいですね。特に餡は、1か月前までに発注をしなければならないので、予測精度が上がればロスも減ってくるでしょう。

赤間さん

 

──IT化やシステム導入を検討している企業にアドバイスがあれば教えてください。

さまざまな生産コストが大きくなっている近年、抑えられるコストを抑えるのは私たちの急務です。オンラインシステムを活用することで、スタートからゴールまで円滑に製造することができるようになり、時間的なロスもモノのロスも減らすことができます。

また、社員の働き方改革も急務です。効率化を図ることで、残業やシフトのロスは大きく減らせるはずです。家族との時間やプライベートの時間も大事にしてほしい。託児所をつくって、子育てしながら安心して働ける環境もつくっていきたいと思います。夢は、親子2代で働いてもらうこと。“変わらない味を守っていくために、変わること”も大切にしながら、収益性を上げ、社員に還元していきたいと考えています。

 

直営店舗本店の内観

 

──本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

取材日:令和6年9月18日

 

 IT導入支援事業者:七十七デジタルソリューションズ株式会社

七十七デジタルソリューションズ株式会社は、七十七グループの一員として、地域企業等の課題解決に向け、県内外のITベンダー等と連携し、デジタル化・DXへの取り組みに伴走支援しています。


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業務効率化や新商品開発等の相談窓口「オーエン(仙台市中小企業応援窓口)」

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