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更新日:2024年2月21日
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目次
ITを活用して業務効率化を図った事業者や新設備導入により生産性向上を図った事業者などを取材し、その取組を「生産性向上事例集」として紹介しています。生産性向上等のポイントを分かりやすく紹介していますので、是非ご覧ください。
株式会社未来企画 仙台市若林区荒井7-4-1
未来企画は多様な機能を集約した交流複合施設「アンダンチ」の運営をはじめ、介護・福祉を中心とした事業を展開しています。事業拡大に伴い拠点や職員も増え、情報共有の手段や事務担当の業務負担が課題に。これらを解消すべく、グループウェアやクラウド給与明細参照システムを活用しています。
サービス付き高齢者住宅や就労支援事業所、保育園、食堂など多様な機能を集約した交流複合施設「アンダンチ」の運営をはじめ、未来企画は介護・福祉を中心とした事業を展開しています。事業拡大に伴い拠点や職員も増え、生じた課題が、情報共有の手段や事務担当の業務負担。これらを解消すべく、グループウェアやクラウド給与明細参照システムを活用しています。その経緯や効果について、代表の福井大輔さん、総務担当の河田由美さんにお話を伺いました。
事業拡大に伴い情報共有手段に課題
――御社の事業内容をお聞かせください。
2015年に小規模多機能ホーム「福ちゃんの家」を開設以降、介護・福祉事業を中心に展開しています。高齢者住宅や居宅介護支援事業所、障害児のお子さん向け放課後デイサービス、企業主導型保育園、食堂なども運営しており、2023年3月には「福ちゃんの家」が仙台市で初めて共生型小規模多機能型居宅介護となり、障害者の方へも間口を広げたサービスを提供しています。
――どのようなコンセプトで事業を展開されていますか。
いずれも大切にしているのは、誰にでも開かれた場所をつくること。例えば敷地内にヤギがいたり、駄菓子屋があったりと、地域の人々が気軽に立ち寄れる工夫を散りばめて、つながりが生まれる居場所づくりを心がけています。
――事業拡大に伴い、課題はありましたか。
徐々に拠点が拡大し、職員も増える中で情報共有が上手くいかないケースがありました。拠点間の垣根を超えて同じビジョンに向かうためには、一人ひとりの考えのベクトルを合わせることが必須。連絡事項を遠隔でもスムーズに共有できる環境が必要でした。
――そこでITツールを導入されたのですね。
グループウェアを取り入れました。現在活用しているのは「グーグルワークスペース」。社内資料などをドキュメント・スプレットシート化し、適宜オンライン上で確認できるようにしました。これにより情報共有のスピードが格段にアップし、連絡事項を口頭ではなく可視化することで齟齬も生じなくなりました。
上質なサービス提供、風通しのよい職場づくりにも効果
――実際の介護現場でも活用されていますか。
円滑な申し送りや職員間のコミュニケーション促進に役立てています。介護現場ではシフト制の勤務のため、利用者様への適切なサービスやケアには正確な申し送りが不可欠です。
当初は後任の担当者がシフト交代時に初めて内容を確認する流れでしたが、グループウェア導入により、利用者様のその日の状況や連絡事項を職員がタイムリーに確認できるようになりました。おかげで今では申し送りもスムーズです。
――職員間のコミュニケーションの効果はいかがですか。
介護現場では日勤・夜勤のシフト制で職員全員が一堂に揃う機会がありませんが、チャットを活用することで意思疎通が図れています。面と向かって言いづらい意見も活字なら気持ちを素直に表現できる場合もあり、私宛にも当たり前に意見や要望がたくさん届きます。
――社長に直接伝えられるんですね。
そうですね。大切なのはネガティブな気持ちを取り除くことだと思います。そのためには話を聞いてくれる相手がいることが重要で、心理的安全性を高めるためにも「どんどん声を届けてほしい」と職員に話しています。現状、立場に関係なく言いたいことを発信できる風通しの良い職場になっていると感じますし、その結果、職員定着にも結びついています。離職者もいますが、その理由はご家族の転勤などが主な理由で、職場環境が原因での離職はほとんどありません。
1日がかりだった給与明細作成がわずか1時間に
――事務作業の効率化のためにもITツールを導入されたとお聞きしました。
現在、パートを含めて全事業所計約160人の職員がいますが、バックオフィスは総務担当の私と経理担当の2人のみ。請求業務に関しては拠点ごとに管理者が行なっていますが、職員増加に比例して事務作業が大変になってきました。税理士事務所からの提案もあり、株式会社ミロク情報サービスさんのサポートを受けて、元々入っていた中小企業向け財務パッケージに給与機能を拡充。合わせて従業員向けの各種精算システムを取り入れ、こちらは主に給与明細参照機能を活用しています。
――導入以前は特にどのような業務が大変でしたか。
様々な部署やサービスがあり勤務時間も異なる中で、全職員の情報を把握した上での紙ベースの給与計算と明細作成が負担になっていました。一人で約160人分を紙で印刷し各部署に配布しており、封入作業も含めて丸一日かかっていました。
――給与明細の電子化で負担が相当軽減されたのでは。
以前とは比べものにならないほど楽になりました。PC上でファイルを取り出してアップロードし、一斉送信すれば完結しますので、印刷や封入の手間がゼロに。作業時間は1時間程度で済みます。受け取る側も、スマホひとつで過去の明細まで確認できますし、紙ではないので紛失の心配もありません。「再発行をお願いします」という依頼もなくなりました。また、以前は有給の管理は別のソフトで行ない、紙で出力して再入力していましたが、こちらも一元化。二度手間をかけず、消化した有給分が自動的に給与明細に反映されるようになりました。
――今後活用していきたい機能はありますか。
給与の自動計算までできるとありがたいですね。現状、当社では出勤簿が手書きですので、まずは勤怠管理機能をスタートさせ、給与計算まで上手く連携させられたらうれしいです。
寄せられる声に応え、豊かに生きるお手伝いを
――介護・福祉業界のIT化の現状についてどうお考えですか。
年配の職員が多い事業所の中には、新しいシステムへの反発が根強く、まったく進んでいないという話を聞くことはあります。当社では全拠点でWi-Fiを飛ばし、スマホを活用しながら業務をしていますが、それすらも余計なコストとして敬遠する事業者もいるようです。介護記録も未だ手書きというケースも少なくありません。
――まだまだアナログな業界なのですね。
残念ながら、そうなります。しかしこれだけ便利なツールや機能に溢れている昨今、業務効率化や円滑なコミュニケーションのために活用しない理由はありません。それらを必要なコストと捉えて、ITと上手く付き合っていけば上質なサービスにもつながりますので、業界全体に波及してほしいと思います。
――今後の展望について教えてください。
IT化は手段であって目的ではありません。業務効率化で利用者様と向き合う時間を多く確保し、手厚いケアや一層の満足につなげることがIT化の目的です。また、余計な業務負担が軽減されることで、次の展開を考える余裕も生まれます。地域の方やご家族と話をしていると、まだまだ当社に求められる役割は多いと感じることがあります。例えば、障害者の方が地域とつながりながら暮らしていける住まいの整備など。すぐには実現できなくても、寄せられる声にはできる限り応えていきたいですね。介護業界に限らず人材確保が難しい中で、ありがたいことに当社は職員に恵まれていますので、ビジョンを共有しながら同じ未来を見据え、利用者様をはじめ関わる人々が豊かに生きていけるお手伝いをしていきたいと思います。
――本日は貴重なお話、ありがとうございました。
取材日:令和5年10月12日
事業者情報
仙台市若林区荒井7-4-1
株式会社ミロク情報サービスは、中堅・中小企業と会計事務所のお客様に向けて経営課題に対する総合的なソリューションを提供しており、今回紹介した株式会社未来企画の取り組みも支援されました。
IT導入補助金の「IT導入支援事業者」として、最適なコンサルティング業務を強みとしており、その取り組みについてお話しを伺いました。詳しくは、株式会社ミロク情報サービスのインタビューページをご覧ください。
仙台圏の事業者の経営課題解決を”応援”する相談窓口「オーエン」を(公財)仙台市産業振興事業団に設置しています。業務効率化や新商品開発などに関する相談はもちろん、補助金や経営、マーケティングの相談などに関し、たくさんの専門家が、あなたの「困った」を無料でサポート。ビジネスの成長と継続を後押しします。
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仙台市では、市内事業者の前向きな投資や事業活動を後押しするため、補助金を活用し様々な取り組みを行っている事業者の方を取材し、『事業に役立つ!!補助金活用術』として補助金の活用事例集を発行しています。
補助金を活用するとどのようなことができるのか、実際に採択を受けた事業者の方から伺った活用方法や申請する際に工夫したポイントなどを紹介しておりますので、補助金の活用を検討している方や新たな取り組みを検討している方は、補助金活用事例集のページをご覧ください。
仙台市では、新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えるために、国の「生産性革命推進事業」などを活用し、前向きな投資や事業活動を実施する市内事業者に対し、その取り組みを後押しする『仙台市地域産業応援金』を支給しています。今般の原油価格・物価高騰等の影響を踏まえ、新たに「原油価格・物価高騰等加算」を新設し、支給額を増額しています。詳しくは、地域産業応援金のページのページをご覧ください。
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