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更新日:2022年10月26日
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貝毒は,ある種のプランクトンが作り出す毒です。ホタテガイやカキなどの二枚貝がこの有毒化したプランクトンをエサとして食べることにより,貝の体内に毒が濃縮・蓄積してしまいます。その結果,本来無毒である二枚貝が毒化してしまうのです。
東北地方では初春から秋にかけて発生することが多く,食べるとフグ中毒に似た食中毒を起こすことがあります。
アレキサンドリウム属等
しびれ,麻痺,重症の場合は呼吸麻痺で死亡
30分~4時間
体重20gのマウスを15分間で死亡させる毒量を1マウスユニット(MU)とする。
可食部1g当たり4MUを超えるもの
熱に対して安定で水に溶けやすい。加熱調理しても分解されない。
※麻痺性貝毒の食中毒発症量は3,000MU以上と言われている。
この貝毒の原因となる有毒プランクトンの発生は,暖流の影響を受けやすく,主に初夏にかけて発生します。食べると下痢を主な主症状とした食中毒を起こすことがあります。
ジノフィシス属,プロロセントラム属等
下痢,悪心,嘔吐,腹痛
食後1~2時間で発症することが多い
オカダ酸、ジノフィシストキシン-1及びジノフィシストキシン-2並びにそれらのエステル化合物について、毒性等価係数を用いてオカダ酸当量に変換したものの総和
可食部1kg当たり0.16mgオカダ酸当量を超えるもの
熱に対して安定で油に溶けやすい。加熱調理しても分解されない。
毒化した貝類の流通防止対策として,生産地で定期的に貝の種類や海域別に毒性検査が行われています。この検査の結果,規制値を超えた場合は出荷規制措置がとられます。
また,ホタテガイでは,規制値を超えた場合でも認定施設で有毒部位を除去し,安全を確認した後で安全証紙を貼って出荷されています。以上のことから,店頭で毒化した貝が販売されることはありません。
但し,自分で採取した天然の二枚貝を食する場合は,関係機関が提供している貝毒情報等に注意する必要があります。(このホームページや仙台市食品監視センターでも情報提供しています。)
「ツブ」や「マツブ」という名称で流通している殻付きの巻き貝の仲間には,有毒な「だ液腺」を持っているものもあり,調理方法を間違うと食中毒の原因となります。「だ液腺」の正しい除去方法を覚えて,殻付きツブによる食中毒を防ぎましょう!
和名 ヒメエゾボラ
大きさ 11~12cm
色 紫褐色
特徴 らせん状に脈をめぐらし,コブ(矢印)を持つのが特徴。
※仙台市に入荷する殻付きツブのほとんどを占める。
【殻から取り出したむき身】
ヒメエゾボラ,エゾボラモドキなどのだ液腺中にはテトラミンという毒が含まれます。この毒は煮ても壊れません。だ液腺は,他の内臓と異なり肉の中にくい込んでいるため,除去されないまま食べられることが多く,しばしば食中毒の原因となります。
食後30分位で頭痛,吐き気,船酔い感を示し,視覚異常を呈しますが,回復は早く死亡例はありません。
だ液腺はピーナッツのような形をしており,生の時は半透明で柔らかく,ボイルすると図のように白色になり固くなります。
【取り出した「だ液腺」】
貝の大きさ,貝の種類によっても異なりますが,ヒメエゾボラでは3~5個分のだ液腺,エゾボラモドキでは1個分のだ液腺でも症状が出ることがあります。
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