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更新日:2024年4月5日
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社名:お茶の井ヶ田株式会社
設立:1920年11月
従業員:660名
本社:仙台市青葉区大町2-7-23
主な事業内容:茶、菓子の製造販売
その他:仙台市奨学金返還支援対象企業
テーマ |
概要 |
審査委員会での講評 |
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「秋保ヴィレッジ」による秋保地区の活性化 |
「秋保ヴィレッジ」を拠点とした地元農産品の販売や各種農業体験の提供を実施 |
本事業は、農業者支援をはじめ、食育・食文化の伝承、地域の賑わい創出、観光振興等様々な面で地域課題の解決に大きく寄与するもので、経営理念を施設として具現化した非常に発信力の高い取り組みと評価いたしました。
特に地元農業者との連携による新鮮な農産物等の販売、地元住民の協力による農業体験の実施など同施設を拠点とし、様々な関係者を巻き込み相乗効果を生み出している点を高く評価いたしました。 社員の育成・能力向上にもきめ細やかに取り組むなど、やりがいのある働きやすい職場づくりに様々な手法を取り入れ、「四方よし」を非常に高いレベルで実践している企業であると評価し、大賞といたしました。 |
仙台市の「仙台『四方よし』企業大賞」で、2016年度に第1回の大賞に輝いたのが、「お茶の井ケ田」(青葉区)だ。創業100周年を迎える井ケ田製茶(青葉区)の販売部門を担い、市内を中心に飲食機能も備えた「喜久水庵」などを展開している。大賞選考では、太白区に開設した観光農業施設「秋保ヴィレッジ」で地元の農産物を販売したり、農業体験の機会をつくるなどして、秋保地区の活性化と農業の6次産業化に寄与していることが高く評価された。秋保ヴィレッジは2014年7月、「仙台の奥座敷」と称される秋保温泉の近くにオープンした。メインの物産館「アグリエの森」はお茶、菓子など多彩な自社商品をそろえているほか、農産物直売所を設けている。年間の来場者は100万人を超え、観光拠点として定着している。
井ケ田健一社長は「中山間地の秋保地区は農家の高齢化が進み、担い手も減っている。少しでも実入りのいい販売ルートを整えることで、農家や農地の維持に貢献できればと考えた」と狙いを説明する。オープン時は地元を主体に60戸ほどだった直売所の登録農家は、約230戸まで増えた。生産者のネットワークや口コミで評判が広まり、山形県から持ち込む農家もいる。一年を通して、四季折々の新鮮な旬の野菜、果物などが並ぶ。
直売所は集客に相乗効果をもたらした。普段は秋保温泉の日帰り・宿泊利用客が立ち寄る姿が目立つが、週末は家族連れなど地元客の割合が高まってきた。「地域貢献は大事だが、商売として成り立たないと、長くは続かない。両立させることが必要」と井ケ田社長。「お茶や菓子を買うのは月1回程度でも、生鮮品は週1回という家庭が多い。お目当ての野菜のついでに加工品なども購入していただき、商売のプラスになっている」と手応えを感じている。
話題づくりやイベントの企画にも余念はない。伊達家のつながりで仙台市の歴史姉妹都市になっている愛媛県宇和島市の物産展を17年から、年1回開催。手芸品などを集めたハンドメイド市も定期的に開き、人気を集めている。
大賞受賞は「自分たちの取り組みを改めて自覚するようになった」と井ケ田社長。賞金を活用して秋保ヴィレッジを紹介する1分程度のPRビデオを制作し、インターネットなどで公開している。経営理念に「地元で必要とされる企業」を掲げる。地域の魅力を発信することも重要視。市の助成を受け、地元産の枝豆を生かし「仙台らしさ」を伝えられる、ずんだ味の商品開発を精力的に進めている。
仙台市は「学生が多い街」と言われる一方で、卒業後は首都圏などに就職するケースが多く、地元定着率が低いとされる。各企業が人材確保に腐心する中、現状を憂慮する井ケ田社長は「四方よしで行政から認められることは、企業のイメージアップにつながる」と取り組みが広がっていくことを期待する。
地域経済の活性化には行政と企業の連携が欠かせない。「仙台市と連携を深めて、物産展や地元食材を使った新商品開発などを通じて地域をアピールしていきたい」と井ケ田社長。大賞受賞をステップに、老舗はさらに100年先も見据えたチャレンジを続けていく。
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