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ホーム > ブログ・SNS > 八木山動物公園スタッフブログ「八木山ZOO通信」 > ホッキョクグマの仔 生後1~2か月(2025年2月17日)
ページID:79176
更新日:2025年2月17日
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八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」
ホッキョクグマの仔2頭が生後1か月を迎える頃、母親のポーラに変化が見られました。
2頭への授乳による体力の消耗からか、少し体が痩せてきたように見えました。
さらに、お腹が減ったためか、時折壁を舐めるようになりました。
そこで、絶食の状態で子育てをしていたポーラに給餌を再開することにしました。
与える餌はホッキョクグマ用のペレットです。
ペレットは必要な栄養素がしっかり入っていて、消化も良いという特徴があります。
半分はお湯でふやかして団子状にして食べやすくし、あとの半分は固形のまま与えました。
給餌再開時に与えた餌
給餌を再開することはポーラの体力回復に必要なことでしたが、飼育員が子育て中の産室に近づくことになるため、母親にストレスを与えるリスクもあります。
飼育員はヘッドライトを装着し、音を立てないように慎重に産室に近づきました。
しかし、結果的にはポーラは警戒することなく落ち着いていて、周りを見回す程度でした。
「投入口」という餌を入れる専用の箱にペレットを入れると、ポーラはゆっくり近づいてきて、久々の餌を味わっていました。
久しぶりに餌を食べるポーラ
すぐに完食すると思っていたのですが、3分後、餌を食べきらないまま仔のもとへ戻り授乳していました。
残った餌は翌朝にかけて複数回に分けて少しずつ食べ、その都度仔のもとへ戻り授乳していました。
この日から数日おきに餌を与えると、ポーラは仔を抱きながらも目を覚ましている時間が長くなり、体力が少し回復したように見えました。
絶食状態で子育てを頑張ってきたポーラ。
しかしその陰で、父親のカイも頑張りを見せてくれていました。
カイには出産当日から1カ月間、夜間も屋外の放飼場で生活してもらっていました。
屋外で飼育していた理由は、以前ポーラが出産した時にカイが寝室で「ファファファ」とかなり息を荒くしていて、ポーラがオスの気配を強く感じてしまう可能性があったこと、寝室と放飼場の出入りの時に大きな音が出てしまい、ポーラが大きな音に反応してしまう可能性があったためです。
終日屋外で飼育することはめったにないことなので、親子の監視と同時にカイの様子も常にモニターで観察していましたが、おもちゃのポリタンクに穴を開けて頭を突っ込んで遊んだり、積雪のあった日には気持ちよさそうに雪に体をこすりつけたりと、屋外での生活を楽しんでいるようにも見えました。
穴を開けたポリタンクに顔を入れるカイ
雪に体をこすりつけるカイ
仔が生後1か月を過ぎたころ、夜間はカイに寝室に入ってもらいましたが、ポーラの様子は変わらず、授乳も順調で安心しました。
2月に入った頃、ポーラへの給餌のために産室に近づいた時にほんの一瞬ですが、肉眼で仔の姿を確認することができました。
肉眼で確認できた仔
仔は頭が大きくなってきて、目はしっかり開いていて、足も太くなっていると感じました。
これまで1か月以上モニター越しに観察し続けてきたホッキョクグマの仔にようやく(一瞬ですが)対面でき、感無量でした。
最近は仔が大きくなってきたこともあり、授乳回数も落ち着いてきて1日に20回程度となりました。
また、ポーラがお腹や脇に隠して見えなかった仔は、ほとんどの時間ポーラのお腹の横に出てくるようになり、モニターでも2頭の様子を観察しやすくなりました。
並んで寝ている2頭の仔
生後1か月までは、毎日生きているか心配でドキドキハラハラしながら見守ってきましたが、最近は、2頭が並んで寝たり、前あしをバタバタさせたり、ポーラの腕をよじ登ったり、些細な行動一つ一つにありがたさと幸せを感じながら観察することができています。
もう間もなく生後2か月となります。
まだしばらくの間、親子は産室での飼育が続きますが、ブログや公式X(エックス)、youtube等で成長の様子を発信していきますので、楽しみにお待ちいただければと思います。
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