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更新日:2025年1月14日

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災害時の体験談(ご本人・ご家族)Bさん

Bさん・11歳・若林区(聞き取りに応じていただいた方:家族(母))

  • 災害の種類:地震(東日本大震災)
  • 季節・天候:平成23年3月11日(曇り~雪)
  • 被災した場所:自宅

<災害当時について>

  • お住まい:若林区
  • 本人の年齢:11歳
  • 医療的ケアの内容:吸引・ネブライザー・経管栄養(胃ろう)
  • 家族構成:本人、父母(40代)、祖父母(70代)
  • 家庭の状況:家族の健康状態は問題なし。他に介護が必要な家族はいなかった。

〇要約

東日本大震災時、Bさんの家族は自宅避難し、生活必需品は十分にあった。しかし、電気が5日間停止し、ガスは1か月半不通で、医療的ケアが必要な本人の入浴が困難だった。友人や支援者からの支援があり、2か月後に通常の生活に戻った。災害後、ガソリンと医療用品の備蓄、車のコンセント設置などの準備を行った。災害時には、避難所に行けない人への食料品配布や、入浴だけできる施設の提供が必要であると感じた。

<発災時の被害状況>

  • 自宅は半壊だが、住めない状況ではないので避難所等への避難はしなかった。
  • 水は水道が一度も止まらなかった。ガスは1か月半不通だったが、お湯はストーブ(灯油)でわかし、料理もストーブでしていた。電気は5日こなかった。
  • ガソリンも前日に満タンにしていたので助かった。
  • 困ったのは本人の入浴。清拭はしていたが、胃ろうの周囲がただれたり、肛門に膿胞ができた。近所のオール電化のお宅で入浴させてもらった。

<発災時の状況・どのタイミングでどのように動きましたか?>

●発災直後~72時間(3日後)までの状況

  • 本人は高等部の卒業式で休日だったので、本人・母・祖父母は自宅にいた。
  • 避難という意識は全くなかった。福祉避難所もないと思っていたし、知らなかった。
  • 本人の物品は十分にあった(2週間分)ので困らなかった。服薬は当時2か所の医療機関。水のない方の家まで水を提供するために運んだりした。
  • 車椅子業者さんが灯油を持ってきてくれた。母の代わりに他の方に水を運んでもらった。

●72時間(3日後)~1週間程度の状況

  • 電気が5日目まで不通だったため、医療機関に行って充電させてもらった。吸引器のバッテリーは2個持ちだが、1日はもたない。当時は吸引回数も1回の吸引時間も長かった(10分程度)が、回数を減らしたり時間を短くして対応していた。
  • 当時の担任の先生が、頻繁に様子を見に来てくれた。本人の気分転換になって良かった。
  • 他の家族(祖父母等)がいたので母が買い出しに行かなくて済んだ。

●1週間~1か月程度の状況

  • 2週間後、調剤薬局や医療機関の看護師から安否確認の電話をもらった。受診はできないが必要な薬剤は、直接調剤薬局から自宅に送ると提案された。

●1か月以降~(3か月くらいまで)の状況

  • 通常の生活に戻るのに2か月くらいかかった。

<事前の備え>

●ハザードマップ等で自宅の危険を確認していましたか?

  • いいえ

●自宅等で普段から準備していたもの、ことはありますか?

  • 本人の使用物品については、十分に準備していた。

●支援者や地域の人と準備していたことはありますか?

  • 学校や病院等との関係性は良好で家族会のつながりがある。

<振り返ってみて>

●災害を経験したことで新たにしている準備や対策はありますか?

  • 車のガソリンは常時、半分以上入っている状態にしている。
  • 新車購入の際にコンセントを付けた。ダイレクトに吸引器をさして使用できる。
  • 手動と足踏み式吸引器を準備している。手動吸引器はバギーに常時積んでいる。
  • 水がない時のために吸引チューブをためて使い捨てできるようにしている。

●備えをしていて良かったことや反対にこれは不要だと思ったこ

  • 医療的ケア関連物品やオムツは十分ストックがあったので良かった。
  • お尻拭きは家族も使えた。

●その他、災害時、どんな人のどんな支援が助かった・こういう支援が欲しかった等

  • 食料品の買い出しや水の配給などの列に並べない人への支援が必要。ボランティアを組織的に活用するなどできると良い。
  • 避難所に行けない人にも食料品等が配布されると良い。
  • 避難所に入らなくても入浴だけできるようにしてもらえると良い。
  • 「ここに行けば充電できる」というマップがあれば良い。

★災害を経験していない方に伝えたいこと★

  • どこにもつながっていない母(家族)に対する支援が必要。未就学児と成人でも通所先がない場合、通所していても母が孤立していて情報がとれない場合等支援が必要。ちなみに、他県から仙台に転居した母は、どこに相談したらよいか分からず施設からココりすの会につながった。
  • 情報発信は、紙と電子両方必要。二次元コードがあると良い。URLだと入力が面倒。
  • 医療的ケア児者、重度重複障害児者の家族会「ココりすの会」「ホップメイトみやぎ」がSNSで情報発信を行っているので、当事者家族の方等への情報提供に繋がれたら良い。

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