Iさん・訪問入浴・管理者
- 聞き取り日:2023年11月12日
- 災害の種類:地震(東日本大震災)
- 季節・天候:晴れ→曇り→雪
- 被災した時間:14時46分
<被災当時について>
- 施設の種類:訪問入浴事業所
- 医療的ケア児者数:児…5~6名(中学生)、者…5~6名、ALS患者15名程度(20代、30代、40代、50代以上)
- ケア種別:人工呼吸器・気管切開・酸素療法・吸引・ネブライザー・経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻経管)・中心静脈栄養
- 職員状況:職員は約20名。訪問メンバーは看護師、オペレーター(機械操作:ヘルパー)、ヘルパーの3名体制。(看護師7~8名、オペレーター7名、ヘルパー7名、パート勤務等あり)
〇要約
東日本大震災時、職員はガソリン不足により自転車で訪問し、断水により訪問入浴業務は行えず、利用者の様子確認や必要物品の配達に努めた。災害後72時間から1週間は、家族との連絡が復旧し、東京本社からの物資を配布。1週間から1か月は、医療機関との連絡や発電機の借用、買い物代行を行った。1か月以降、水・ガス復旧により入浴サービス再開。災害後の影響として、体験者と未体験者の備えの意識に差がある。新たな対策として、3日分の必要物品の備蓄、発電機の準備、避難訓練、避難用品の確認などを行っている。
<発災時施設に利用者などはいましたか>
- いなかった(事務所におり、建物から外に出て、職員の携帯は誰も繋がらず、職員は時間はかかったが職場に集合できた)
<発災時の状況・どのタイミングでどのように動きましたか?>
●発災直後~72時間(3日後)までの状況
- 発災直後、3日間、1日20~30件ガソリン無く車が使えないため、自転車で訪問した(利用者が100名程度いたため)。
- 断水のため、訪問入浴の業務は行えず本来業務ではないが御用聞きにまわった。当日に入浴予定だった方々には1件1件訪問して入浴できない旨伝え様子も確認した。
- 何かあれば、ケアマネージャーに連絡して対応してもらった。
- 高層階の方が、水の配給を受けるために下に降りるとエレベーターがないため登れないという訴えがあり、高層階まで階段で水を運んだ。
- メールは電話よりつながりやすかったので家族とメールで連絡をとりあった。
- 電気ガス水道が復旧しなければ業務はできないため、業務外のことをやった。
- 命をつなぐためにやったと思う。
●72時間(3日後)~1週間程度の状況
- メールが届くようになり、家族と連絡が取れるようになってきた。
- 自転車で訪問していた。
- 東京本社より、水やカイロが届き、訪問して届けていた。
- 医療的ケア児は病院に行った人が多かった。1週間~2週間程度。電気の復旧とともに戻ってきた。
●1週間~1か月程度の状況
- 連携した機関は、医療機関への報告。消防署で電源を借りる(吸引器の充電)。
- 近くの工事現場から発電機を借りた。
- ケアマネージャー・ヘルパー事業所などにも連絡をしていた。
- 買い物の代行もした。
●1か月以降~(3か月くらいまで)
- 他地域へのボランティアを行っていた(一日10~15名)。
- 1か月以降、水・ガスが復旧したため、入浴サービスを提供できるようになったが、職員がガソリンなく、通勤等は会社で送迎したりしていた。
<事前の備え>
●ハザードマップ等で施設の危険を確認していましたか?
●施設等で普段から準備していたもの、ことはありますか?
- 入浴中、地震になったらの想定で訓練はしていた(1年に1回)。研修で必須になっている。
- 震災2~3日前の地震が入浴サービス中に起きたため、事前の訓練となった。
<振り返ってみて>
●被災後、今も残っている影響はありますか?
- 体験した母は、災害に対しての備えが必要であると思っているが、体験していない母はそう思っていないので、災害時の考え方に差がある。
●災害を経験したことで新たにしている準備や対策はありますか?
- 3日分の必要物品は備えている。
- おむつはなくなる前に余裕をもって買っている(母たち)。
- 水もペットボトルを箱で買っている。
- 発電機を用意している(事前に充電するタイプ、太陽光で発電:吸引器、呼吸器など連続で8時間使っても8割程度は残っている)。
- ALSの方は1年に1回、避難できるようにケアマネージャー中心にカートの確認や訓練をする人もいる。
- 家の見取り図を貼っている。
- 避難できるようカートの中に発電機の使い方を写真で用意する。
- 使用期限のある物は別に分けて分かるようにする。
- カートの中身は月に1回毎月1日に確認。
- 全ての支援者が確認できるように工夫している。
●関係機関との連携の中で、助かったことや困ったことはありますか?
●備えをしていて良かったことや反対にこれは不要だと思ったこと
- 小物(綿棒など)普段は使用しているが、あまり使わなかった。
- 震災前はあまり備えがなかった?定期的にショートステイやレスパイトを利用する方は、そのための物品を用意している。
★災害を経験していない方に伝えたいこと★
- 母たちから聞いた後日談として、震災後、子供はこわくて泣いている。呼吸器のストッパーをかけていなくて、カニューレが抜けそうになった。ベッドは固定しているが呼吸器は移動したりするため、かけていなかった。
- 起こってから準備はできないので準備はしておくべき。直ぐに出られるように準備しておくことに損はない。別に大丈夫、もうこない、と思わないで。
- ガソリンがなくて移動が大変であった。
- 水はとても大事。
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