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更新日:2025年1月14日

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災害時の体験談(ご本人・ご家族)Eさん

Eさん・9歳・青葉区(聞き取りに応じていただいた方:家族(両親))

  • 災害の種類:地震(東日本大震災)
  • 季節・天候:雪がちらついていた
  • 被災した場所:自宅

<災害当時について>

  • お住まい:青葉区
  • 本人の年齢:9歳
  • 医療的ケアの内容:人工呼吸器・気管切開・鼻咽頭エアウェイ・酸素療法・吸引・ネブライザー・経管栄養(胃ろう)
  • 家族構成:本人、父(48歳)、母(43歳)、姉(10歳)、妹(4歳)
  • 家庭の状況:健康状態は良好

〇要約

地震発生時、Eさんの家族は停電と断水に直面し、医療機器の充電や食事の準備に困難を経験した。地震直後から1週間は、近所の人々の助けを借りて過ごし、1週間から1か月は、新たに発電機やポリタンクを購入した。1か月後から3か月までは、生活は徐々に正常化した。災害を経験したことで、家族は常に1か月分の薬を準備するようになり、ポータブル電源の購入を検討している。また、近所との関係や日常の準備の重要性を認識した。

<発災時の被害状況>

  • 停電(3日間)
  • 断水(最初は出ていたが3日目にチョロチョロになり、4日目に断水2日間)
  • 子供部屋の小物は落ちたが、大きなタンスなどは倒れず。

<発災時の状況・どのタイミングでどのように動きましたか>

●発災直後~72時間(3日後)までの状況

  • 父は出勤前だったので自宅におり、ベッドで寝ていた本人に覆いかぶさり、ベットの脇にあるタンスを抑えた。妹は幼稚園から帰宅しており、母と一緒にベッドの下に隠れた。姉は小学校におり、近所の同じ小学校の保護者が、学校に迎えに行き、担任へ事情を説明。近所の方が自宅まで連れて帰ってきてくれた。
  • 直接、医療機関へ、医療機器の充電をさせてもらえないか問い合わせに行ったが(入院させてくれないかとの期待もあったが…)、医療機関では、「沿岸部からの受け入れでいっぱいいっぱいな状態。非常電源がほぼ使えないので、酸素などもみんなに供給できるか分からない状態のため、充電してもらっては困る。明日になれば手配できるかもしれないので、手配ができれば受け入れることもできるかもしれない。なんとか自宅で頑張れるなら自宅で」との説明だった。
  • 余震もあったため、インバーターを使用し、一晩家族全員で車の中で過ごした。

●72時間(3日後)~1週間程度の状況

  • 3日目あたりから、水が出なくなり2日間くらい断水となった。近所の井戸を持っている方が「電気が来たので水をくめるよ」と声をかけてくれて、水をくませてもらった(トイレ、食器洗い、注入ボトル洗浄、吸引器の洗浄などに使用)。
  • 食事は、冷蔵庫にあったものを食べた。近所で実家に避難する方がおり、冷凍食品を分けてくれた。プロパンガスだったため、火を使って調理することができた。4日目ぐらいからは、近所の酒屋さんも開き、野菜などを買うことができた。
  • 自宅には、カイロ、ポリタンク、延長コード(5m~10m)、マスク、石油ストーブがあったので、使用しながら過ごせた。

●1週間~1か月程度の状況

  • ネブライザーを1週間使用していなかったためか、加湿できず、本人は体調を崩し、気管支炎を起こしてしまい、3月18日から1週間程度入院。
  • 水は極力使わないようにして過ごした。2週間過ぎるとある程度お店も開き、あちこち買い出しに行った。
  • 発電機やポリタンク、携行缶を新たに購入。携帯のアラーム(地震情報)に敏感になり、なるたびにドキッとしながら過ごした。

●1か月以降~(3か月くらいまで)の状況

  • 小学校や幼稚園はゴールデンウィーク明けから再開。父親は4月末から仕事を再開。買い物に行くのは苦労しなくなった。乾電池の予備がなくなり、100均に勤めているママ友に頼んで購入した。
  • 医療機関から、足踏み式の吸引器をもらった。

<事前の備え>

●ハザードマップ等で自宅の危険を確認していましたか?

  • いいえ

●自宅等で普段から準備していたもの、ことはありますか?

  • 医療的ケアに関すること:準備していなかった。

●支援者や地域の人と準備していたことはありますか?

  • 町内会の避難訓練が年に1回程度あるが、参加したことはなかった。

<振り返ってみて>

●災害を経験したことで新たにしている準備や対策はありますか?

  • 常に1か月は過ごせるように薬以外準備している。
  • ポータブル電源があるといいなとは考えている(助成があるといいな)。

●備えをしていて良かったことや反対にこれは不要だと思ったこと

  • 備えをしていなかった。

●その他、災害時、どんな人のどんな支援が助かった・こういう支援が欲しかった等

  • 近所の方からの水や食料の共有。親戚からの食料や灯油、ガソリンの供給。
  • 緊急時に自宅以外で、水があって、電気があって、本人が過ごせる場所があると良かった。
  • 子どもたちがストレスを感じて過ごしていたと思うので、ストレスを発散できるような場所があったらいいなと思った。

★災害を経験していない方に伝えたいこと★

  • お金に余裕があるなら、ポータブル電源は一つ用意しておいた方が良い。
  • 日ごろからのご近所付き合いは大事。
  • 普段から、同じものを同じように使えるような準備や練習をしておいた方が良い。
  • 車のインバーターなど役に立つものは用意しておいた方が良い。
  • 非常食など事前の準備も大事。

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