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更新日:2016年9月20日
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心の病気は、急激に発症する人もいれば、いつのまにか病気になっている人もあり、発症の仕方は様々です。しかし、誰が見ても明らかに心を病んでいるとわかる状態になる前に、多くの人が心身に違和感を感じています。
例えば、統合失調症の場合は「眠れない」「食欲がなくなる」「何となく不安」「緊張する」「人の視線が気になる」「周囲が騒がしく感じられる」「人を避けたくなる」「心のゆとりがない感じがする」「イライラする」「気分が落ち込む」「自分の意思とは関係なく言葉やイメージが浮かんだりする」などのようにはっきりとしない症状が、幻覚や妄想などの典型的症状に先行して出てくることの方が多いのです。もちろん、こうした症状があるから統合失調症である、というわけではないので、ことさら気にする必要はありません。いずれにしてもこのような状態となったときにはうまく休息を取り、また、気軽に「精神科」の受診を考えてみてください。以前よりも精神科の診療所や総合病院の精神科が増えており、受診しやすくなっています。また、「神経科」「心療内科」と標榜している場合もあります。
本人が言葉にしなければ、心と身体の不調や病的な体験の苦しさは、周りの人には理解されにくいものです。誰もいないのに人の声が聞こえてきたり、実際にはないのに近所の人が噂をしていると信じ込んでいたり、不自然な笑いや独り言がみられたりと、家族からみて明らかにいつもと様子が違うところはありませんか。また、「朝なかなか起きてこない」「家族や他人を避け一人になりたがる」「口数や外出が減った」、逆に「口数や外出が多くなった」など性格や行動パターンの変化でしか捉えられないことがあります。病気だと気づかないと本人を責めてしまいがちですが、本人にとってはとても辛いことです。
些細な本人の変化を、全て心の病気の症状に結び付ける必要はありませんが、家族がみて納得のいかない場合は、専門機関への相談や病院への受診も選択肢の一つになるでしょう。
症状のために自分が悩んだり、周囲の人が困ったりするような状態が問題です。その程度が、家族や学校、職場など社会で生活するのに支障をきたすほどになったとき、それを病気と呼んで治療します。心の病気の重症度は、そうした日常生活に応じた機能障害の程度で判断します。症状はあっても日常生活や社会生活に支障がなければ軽度ですし、症状のために自死を考えたり、他人を傷つけたりするほどであれば最も重症といえます。このような重症度を改善し、社会参加を可能にすることが精神科の治療なのです。
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