モデリングに特化することでブランド力を高める

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株式会社サブリメイション

代表取締役
須貝真也　氏

仙台スタジオ復活でさらなる躍進を

サブリメイション写真1 　弊社は2011年、『Production I.G』のCG部が独立して発足したアニメーションCGスタジオです。3DCGを用いたセルルックアニメーションを得意とし、「ラブライブ！スーパースター!!」やNetflixシリーズ「ドラゴンズドグマ」など、TVシリーズ・映画などのアニメーション制作を手掛けています。東京・名古屋・仙台にスタジオを構え、2 0 2 2 年3月現在での従業員数は120名。2018年には『サンライズ（現：バンダイナムコフィルムワークス）』との資本業務提携、2019年には『Netflix』との包括的業務提携を締結し、着々と成長を遂げてきました。
　仙台スタジオは2017年に開設しましたが、2020年に新型コロナウイルスの影響もあり一時閉鎖。その後も仙台に残りテレワークで仕事を続けていたスタッフから「仙台スタジオを復活させてもう一度一緒に仕事がしたい」という要望もあり、2022年5月に新拠点で再稼働。現在はインターンシップの学生を含めて4名のスタッフが在籍しています。

地方にいながらアニメの仕事ができる環境づくり

サブリメイション写真2 　自分自身が東北出身ということもあり、東北でなにかやりたいと思ったのが仙台スタジオ開設のきっかけです。東北でやるなら人も専門学校も多い仙台が一番いいと思い、進出を決めました。
　現在、仙台スタジオはモデリング専門スタジオとして稼働しています。CGにはモデリングやアニメーション、コンポジットなどいろいろなセクションありますが、仙台スタジオはその中でもキャラクターや背景などを造形するモデリングの工程に特化させています。理由としては、仙台でテレワークを続けていたスタッフ全員がモデラーであったことと、CG制作の工程でモデリングが一番切り分けやすいセクションだからです。
　一昔前だと「アニメ制作の仕事をするなら東京」というイメージが強かったと思いますが、今はどこでも仕事ができる時代です。地方には家庭や個人の事情で東京には行けないがアニメ制作の仕事をしたいという人や、東京でアニメ制作の経験を積んだが地元に戻って仕事を続けたいという人がたくさんいます。会社として地方に拠点を持つことは、そういった熱意のある人材を獲得する意味でも有意義だと思っています。特に仙台は暮らしやすく交通の便もいい。働く場所を選ぶ時には当然暮らしやすさも重視されるので、仙台スタジオが復活できてよかったと思います。

丁寧に人を育て、スタジオのブランド力を強化

　モデリングは細かい作業を黙々と続けていく仕事なので、根が真面目で慎重に物事を進める東北人の気質に合っていると感じることが多いです。今後もいろいろな専門学校にお声掛けをして、会社説明会やインターンシップを実施して採用につなげていきたいです。当面は毎年コンスタントに1～2名。新人を丁寧に育てていきたいので、慎重に採用を進めていきます。
　またこの業界はひとつの作品を複数の会社で協力して制作していくことが多いので、「モデリングを頼むならサブリメイションの仙台スタジオ」と名前が出てくる会社になることが目標です。そしていずれは、ひとつの作品において、モデリングのメインディレクターを務める人材を輩出できるスタジオに成長できたらいいですね。今はまだ、専門学校でアニメ制作を学んでも就職まで結びつかないパターンも多いのが現実なので、そういうスタジオが仙台にあることで、仙台でアニメ制作を学ぶ学生たちの「アニメの仕事をしたい」という熱量も変わってくると思います。
　もちろん、ライバル会社の仙台進出も大歓迎です。この業界は人材の流動化が活発で、いろいろな会社で経験を積むことでどんどんスキルアップしていく。アニメ制作会社の数が増えればその分仙台の人材も増えるので、我々にとってもメリットがあります。仙台のアニメ業界で互いに切磋琢磨していければ理想的ですね。

（2023年1月24日取材）

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