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更新日:2024年4月5日
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社名:株式会社鐘崎
設立:1969年
従業員:180名
本社:仙台市若林区鶴代町6-65
主な事業内容:水産練り製品の製造販売
地域文化を発信し、地域の魅力を体験・共感できる場の提供
平成元年より、本社に隣接しているアミューズメント・パーク「鐘崎総本店 笹かま館」において、”ここでしか見られない・体験できない・味わえない”をテーマに、仙台・宮城の食や文化を発信する取り組みを行っている。笹かまぼこの原料魚の特徴を学んだり、実際の製造工程を知ることができる「工場見学」や、世界で1つだけの笹かまや揚げかまを自作できる大人気「手作り体験教室」などを通して、笹かまぼこの文化を広めている。コロナ禍においては、見学ができない子供たちへ向けて、スタッフが小学校を訪問する「出前授業」の取り組みを開始。笹かまぼこの歴史や作り方を学ぶ場の提供を行っている。
また、伝統技術の承継に注力しており、生魚からかまぼこをつくる「かまぼこ塾」にて、職人の育成を行っている。
その他にも、笹かま館に隣接している「七夕ミュージアム」では、現在主流の優美な七夕飾りだけでなく、藩政期や明治・大正時代の七夕飾りも再現し、展示しているほか、仙台七夕飾り手作り体験を行うなど、訪れた人に仙台七夕の歴史と文化を紹介している。
「鐘崎総本店 笹かま館」
「かまぼこ塾」
「手作り体験教室の様子」(コロナ前の様子です)
笹かま館の体験型コンテンツは、年間延べ約2万3千人(2018年度)が利用しており、仙台・宮城の文化の発信拠点となっている。体験した人からは、「笹かまぼこの歴史を楽しく学べた」、「自分で作ることで、かまぼこが好きになった」とういう声をいただいている。
また、七夕ミュージアムの来館者からは、「七夕の飾りの意味を初めて知り、とても面白かった」、「県外の知人を連れてまた訪れたい」といった感想が寄せられている。
若手社員が活躍する機会を作ること
2018年より、会社が目指すヴィジョンの実現に向けて、年齢層や役職、所属部署などを超えたチームを組んで活動する「ハイブリット組織型チーム活動」を開始。2020年には、参加者を立候補制により募る、より自主的な「プロジェクトチーム活動」に進化し、活動を継続している。
これまでに、「お客様を元気にするモノづくり・サービス」、「社員が笑顔になれる環境づくり」、「地域・社会に役立てる会社づくり」等のテーマに取り組み、様々な活動を実施した。
活動を開始してからの4年間で、30チームが発足。そのうち、28チームで20~30代若手社員がリーダーとして活動を牽引しており、若手社員の活躍の場となっているほか、社員が自ら考え挑戦する企業風土の醸成に繋がっている。
リーダーを務めた社員からは、活動を始める前と比べて、「問題を見つけ改善点を考える力、自分の考えを伝える力、メンバーをフォローする力などが身についた。」という声が上がっている。
テーマ | 取り組み |
---|---|
お客様を元気にするモノづくり・サービス |
お客様に寄り添う接客を目指し、研修会や、社内ロールプレイング大会を開催。小学校向け出前授業の実施なども担当している。
2020年コロナ禍で仙台七夕まつりが中止となる中、新入社員中心にイベントを企画・運営。社員や地域のお客様の協力のもと手作りランプシェードを作成・展示した。 |
社員が笑顔になれる環境づくり |
社員同士の絆を深めることを目的に「ありがとうカード」、「社内交換日記」等を実施。
社員のスキルアップを目指し、社員向けセミナーなどを企画・運営。 |
地域・社会に役立てる会社づくり |
社員の健康増進をテーマに、本社工場周辺地域のウォーキングゴミ拾いなどを実施。
SDGs「海の豊かさを守る」に着目し、プラスチックゴミ削減のための弁当持参活動を実施。 |
「笹かまぼこという食文化を未来に継承していきたい」と展望を語る嘉藤社長
1947年の創業から、仙台名産「笹かまぼこ」づくり一筋で歩みを続けてきた鐘崎。本社隣接の「鐘崎総本店 笹かま館」は、企業理念の「おいしさ、楽しく」の実践と発信を担う、笹かまぼこのアミューズメント施設だ。工場見学や手作り体験教室を通して、笹かまぼこの文化を広めるとともに、店内の「かまぼこ塾」では、手作りの商品を製造しており職人育成や伝統技術の継承にも注力してきた。
嘉藤明美代表取締役社長は、「仙台で生まれた笹かまぼこという食文化を、私たちが継承し未来へ引き継いでいく。それが笹かまぼこを扱う企業としての役割だと思っています」と話す。
笹かま館では子どもたちにかまぼこの歴史や作り方を学んでもらうための社会科見学や、一般向けの工場見学を長年受け入れてきた。
しかしコロナ禍の影響で中止に。その中で始めたのが「本気塾」だった。定員を少人数にしぼり、生魚から笹かまぼこをつくっていく工程を職人に学ぶ。笹かまぼこの文化や奥深さに触れられると好評だ。工場見学も密にならないよう、早朝の見学コースを新たに設けた。今できることを、地域の人々へ丁寧に発信して地元のファンを増やしていこうと考えた結果だった。
「本気塾」では、生魚から笹かまぼこをつくっていく工程を職人に学ぶ
笹かま館に隣接している「七夕ミュージアム」では、七夕飾りを常設展示しているほか、仙台七夕飾りの手作り体験を行うなど、仙台七夕の歴史と文化を紹介している。感染症の影響により観光客がゼロになったことで、「地域で育まれてきた伝統文化を地域の方々と大事にしていくことの重要性を考える機会になりました」と嘉藤社長。
鐘崎が継承していく食文化の未来は、同社自体の未来でもある。会社の大切な未来を社員全員で考えよう、と始めたのが「プロジェクトチーム活動」だ。活動への参加は立候補制で自主性を大事にし、年齢、部署、役職を超えたメンバーでチームが構成される。
「お客様を元気にするモノづくり・サービス」「社員が笑顔になれる環境づくり」、「地域・社会に役立てる会社づくり」から選んだテーマに沿った活動を、自分たちで企画し協力して取り組む。さまざまな部署、役職の人たちが横軸でつながることで、思いがけない発想が生まれることもあるという。
「プロジェクトチーム活動」では、選んだテーマに沿った活動を、自分たちで企画し協力して取り組む
嘉藤社長は、多様化した消費者の価値観に応えるためにはさまざまなアイデア、考え方が存在するべきだと考えている。「与えられた仕事だけをするのは楽ですが、頑張ったからこそ味わえる達成感があると思うんです。そこを社員たちに感じてほしい」と期待を寄せる。
また、活動を通じてリーダーシップの向上も目指す。5、6人の小さなプロジェクトチームでも、リーダーとして意見をまとめ引っ張っていくには苦労が伴う。嘉藤社長は、その大変さも若い社員たちに経験してほしいと願っている。
チーム活動スタートから4年がたった。一人一人の仕事の幅が広がったり、社内のコミュニケーションが活発になったりと、社内には良い変化も出てきている。それが消費者との向き合い方の改善につながりポジティブな循環になっていくことを嘉藤社長は期待する。
嘉藤社長は「会社の主役は一人一人の社員。目指すのは彼らがもっと主体的に会社を動かしながら、生き生きと活躍できる魅力ある会社づくりです。鐘崎の未来の可能性を社員と共に考え、一つずつ具現化していきたいです」と語る。
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