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更新日:2024年4月5日
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社名:株式会社アップルファーム
設立:2010年
従業員:96名
本社:仙台市若林区六丁目字南97-3
主な事業内容:福祉事業、保育事業、飲食事業
その他:仙台市奨学金返還支援対象企業
世間的に障がい者の自立という言葉が取り上げられている一方で、障がい者の平均工賃はあまりにも低く、自立から程遠い現状に危機感を感じていた。工賃・時給面も含めた障がい者の自立に向けた福祉的支援をするには、企業としての収益も確保することが必要と考えていた。
福祉的支援に関しては、「適材適所」をキーワードに障がい者を雇用している。ビュッフェレストランの特徴でもある多品種の商品を扱うことや業務を細分化し、障がい者の方を、それぞれの特性に合わせて配置することで、障がい者一人ひとりの能力が発揮しやすい環境づくりを行っている。
企業的収益の確保に関しては「再生」をキーワードに、古い物件の活用や、規格外野菜の活用など行い、コストが低く収益が生み出し易いモデルを構築した。
福祉事業所としてではなく、飲食店として評価をしてもらい、12年経った今でも繁盛店をという位置づけを獲得している。その結果、現在では50人ほどの障がい者を雇用し、平均時給890円を支出するまでに至っている。また、レストラン六丁目農園では、スタッフの半分が障がい者の方で運営しているが、彼らが各部門のプロとなり、新しく入社した健常者に業務を教えるというところまで成長している。
当時の福祉事業における3K(きつい、汚い、危険)のイメージ、実態から、社員定着率が低く離職率が高いことに危機感を持っていた。そのため、福祉事業での社員定着率、勤続年数向上に向けた取り組みが必要と考えていた。
「働きやすい職場」の我々なりの環境づくりとして、4年前より社員、パート関係なく、
1.定期的な心合わせミーティング
2.半年に1回の社長個人面談の実施
3.会社、事業所の年次目標や理念の共同作成
を行っている。共通しているのが風通しの良い環境であり、自分の考えや悩みを定期的に吐き出すことができる時間を作り、目標などもトップダウンではなく自分たちで決めることにより当事者意識をもってもらい、より会社を愛してもらうということを心がけている。
勤続年数は向上し、会社の環境が原因での離職もほとんどなくなり、現在在籍している社員の平均勤続年数は7年半となっている。採用に関してもスタッフや業界からの紹介が多く、業務にマッチした人材採用に繋がっており、結果採用コスト減となっている。
ビュッフェレストラン経営などを通じて障害者の雇用拡大を図る「アップルファーム」(仙台市若林区六丁目)は3月、仙台市の「『四方よし』宣言企業」に登録された。障害者の時給は数百円程度といわれる中、宮城県の平均賃金を上回る最低賃金(883円)以上で雇用し、経済的な自立の支援に力を入れている。
「人材の適材適所が会社を成長させる」と話す渡部哲也社長
飲食事業に長く携わってきた渡部哲也社長は「ナンバーワンにならなければ―とずっと考えてきたが、世の中に必要な『オンリーワン』を目指すべきだと気付いた」と振り返る。
きっかけは、義弟が交通事故で重度障害になったことだった。一時は危篤状態に陥ったが、一命を取り留めた。「生きている以上、人間には必ず役割がある」と思った渡部社長は、業務効率化のための枠組みの中に人を当てはめるのではなく、人に合わせた雇用環境をつくることが、長い目で見れば会社のためになると考えた。
「アップルファームで働く従業員の皆さん」
「利益を出すためにどうするか」ではなく、自らの飲食業界でのスキルを生かし、「障害者雇用を生み出すには何をすればよいか」から導き出したのはワンプライスのビュッフェレストラン経営。接客を不得意とする障害者は接客する必要はなく、自分の適性に合った役割をこつこつこなせばいい。客に合わせた臨機応変の対応も不要だ。
従業員の障害者男性が担当した仕事をこなす中で、自分の役割を見出して会社の戦力になっていく姿を見守ったこともある。渡部社長が「競争より共生」と実感した場面でもあった。
「ビュッフェレストラン「六丁目農園」でピザを焼く従業員」
ビュッフェレストラン開業は2010年11月。東日本大震災時は約1カ月の休業を強いられたが、会社は成長を続け、現在は保育所経営や障害のある子どもが通う放課後等デイサービスの運営、障害者雇用のビジネスモデル販売も手掛けている。
事業拡大のため従業員との対話は不可欠。社員やパートタイマーらとは個人面談を通して、年次目標や理念を共同で作成している。「障害者は担当する各部門で専門性が増し、健常者の新入社員に業務を教えるまでに成長した。より働きやすい職場づくりに努めたい」と話す。
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