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更新日:2024年4月5日
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社名:株式会社ナラティブ
設立:2022年
従業員:45名
本社:仙台市太白区向山二丁目13番8号
主な事業内容:高齢者介護
生産年齢人口の減少が進む中、介護業界における人材不足が深刻な課題となっている。人材不足の解消と外国人材の活用・活躍を促進するため、多様な働き方や柔軟な勤務形態による効率的な事業運営を推進していく必要がある。特に、介護を学んだ外国人の学生が、やりがいを感じながら仙台での暮らしを継続できるような魅力的な職場を創ることで、一企業としてだけではなく、仙台という街の中で外国人材の受入推進と安定した雇用の確保ができるのではないかと考えた。
外国人が働きやすい環境を整えるために、個々の生活スタイルに合わせた働き方を推奨し、雇用に対しての理解を深め、配慮する取り組みを実践した。2022年から仙台市内の日本語学校に通う2名の外国人を雇用するにあたって、以下に取り組んでいる。
外国人職員は、利用者や職員とのコミュニケーションを通して、介護技術全般と認知症に関する理解を身につけて業務にあたっている。職員とは文化の相互理解も深まり、地域に暮らす仲間としてグローバルな交流が育まれている。社内ではお互いに言葉で感謝の気持ちを伝えることが習慣化し、思いやりに満ちた職場づくりに成果がみられた。このように外国人職員が働きやすい職場をともに創ることで、外国人材の定着を図ることができている。
「利用者と接する外国出身の職員」
ダイバーシティ推進においては働き方改革が重要であり、仕事と育児の両立など、様々なライフステージに合わせた多様な働き方を認め、外国人や高齢者などを含む一人ひとりが活躍できる職場を創ることが求められる。そのためには、職場環境を整備するだけではなく、働く職員が主体となって「一人ひとりが活躍できる場所」や「働きやすい職場」をともに創る社風が望まれる。具体的には、働く職員の声を職場に反映させる仕組みづくりが必要と考えている。
「自立と共生の権理を尊ぶナラティブな関わり」を理念としながら、誰もが自分の人生の主人公として主体的に生き(自立)、価値を認められて人とつながりながら生きること(共生)を応援する。そのためにも職員一人ひとりが仕事そのものを楽しみ(職業道楽)、仲間とともに成長できる職場(自尊好縁)をめざしている。
(1)キャリアサポート(教育支援)
(2)ワークサポート(働きやすい職場づくり)
(3)ライフサポート(暮らし応援)
上記取り組みは、職員アンケートなどを通じてアイデアを集めたものである。
特に、リモートワークや週休3日制度の導入などは、ライフステージに合わせた多様な働き方を可能にした。短時間パートの基本給を割り増しするなど、一人ひとりが活躍できる職場づくりに活かされている。60歳定年後の延長雇用や限定本職員制度(場所・時間・職種を限定した勤務)などの働き方の選択肢も広がり、子育てが一段落した後に正職員として復帰することも可能になった。
「ミミズクキッズパートナー(お子さんと一緒に出勤)」
「フォトコンテストでの金賞受賞作品」
宮城県内に介護施設や介護支援事業所、各種診療所を運営する医療福祉グループ「清山会」。ナラティブは、その清山会グループの一員として、グループホームと認知症対応型デイサービスを運営している。
社名のナラティブは、グループ全体の理念「自立と共生の権理を尊ぶナラティブな関わり」に由来し、誰もが自分の人生の物語の主人公として主体的に生き、価値を認められて人とつながりながら生きることを応援し、一人ひとりの物語(ナラティブ)が育まれるような関わりをめざしている。なお、ナラティブでは、正しいや道理といったrightsの本来の意味に立ち帰り、"権利"を福澤諭吉が訳した“権理”と表記している。
今回は同グループ部長の千坂祐さんと総務部次長の佐藤由香さんに、ナラティブを含む清山会の取り組みについて話を聞いた。
「ナラティブ グループ部長・千坂祐さん(左)と総務部次長・佐藤由香さん(右)」
人材の確保は介護業界にとって大きな社会課題。人材不足解消の一環としてナラティブが取り組んでいるのが、外国からの留学生の受け入れだ。それも一時的な働き手としてではなく、日本語学校での語学習得から介護福祉士養成の専門学校で2年間の学びを経て、正職員として雇用している。
日本で制限なく働ける『在留資格介護』ビザの取得を目的とし、仙台に根ざして働いてもらうことを視野に入れた雇用だ。グループの一員に日本語学校も参画しており、市内の介護専門学校とも連携し、しっかりとした道筋を作っている。
「料理や、レクリエーションを通じて、互いの文化を学び合う機会を設けている」
「料理を教え合ったり、球技大会やスキー旅行を企画・実施したりして、職員間で互いの文化を学び合う機会も設けています。仙台のまちを好きになって、楽しく長く働いてもらいたい」と佐藤さん。
また母国を離れて働く彼女たちの一生懸命さや、利用者の方々への気持ちのこもった寄り添いの様子から、他の職員も教わることが多いそう。「彼女たちの姿に感化され、ご利用者としっかり向き合っていくための再確認にもなっていると感じます」と千坂さんは話す。
「職員へのサポートの一例として、職員の子どもを対象にした介護の職場体験を実施」
「働き手よし」の面でも独自の仕組みが光る。年に4回行っている職員アンケートは、面談では言いにくい要望や悩みを拾い上げることに加え、職員へのサポートのアイデアを集める機会としても機能。
サポートの一例では、夏休みなどの長期の休みや学校・保育園の休日に、職員の子どもを対象にパパママと出勤して介護の職場体験ができる制度や、季節のフォトコンテストなど、ユニークな内容も多い。佐藤さんは「現場ではできる限り家庭に近い雰囲気づくりを心掛けており、サポートの内容にもそうした雰囲気が生まれる取り組みがたくさんあります。職員の年代も幅広く、外国籍の職員も含め、フラットな関係性の中で楽しんで仕事ができる職場づくりを進めたいです」と笑顔で話した。
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